2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いた機械的性質に優れる黒変しない歯科鋳造用銀合金の創製
Project/Area Number |
17390523
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
福井 壽男 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50090147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40183488)
松本 章宏 産業技術総合研究所, 主任研究員 (20358047)
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Keywords | 歯学 / 牛体材料 / 金属物性 / 変色 / フレティング試験 / 非平行プロセス / 急速凝固法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、12%金パラジウム銀合金の黒変原因と合金組織との関係について検討している。本合金の黒変はAgの硫化が原因と考えられることから、本年度は合金の溶体化処理によるミクロ組織と硬さとの関係から検討することを目的に各熱処理における合金組織と硬さの関係を検討した。さらにそれに伴うフレティング摩耗試験を行った。一方、Ag-Ru系合金溶製が過去に良好な耐食性を示した事実から、浮揚溶解装置によってAg-Ru合金の溶製を実施したが、未だ溶製に成功していない。この原因はRuはAgの沸点より高い融点を有しているためであり、現在のところ本溶解法ではAgに均一に混合することは出来ていない。Ag-Ru系の合金状態図で報告されているのは非固溶系である.したがって、急速冷却法などを応用することが考えられる。この急速冷却法の効果を確認するため、12%金パラジウム銀合金を800℃以上の高温で加熱急速冷却する非平衡プロセスを応用して実験した。この結果、12%金パラジウム銀合金を800℃以上の高温で加熱急速冷却する、ガラス急速冷却法を応用することによって、リボン状の試験片を作製し、その組織構造を観察した。その結果、急速冷却組織はナノサイズの結晶粒径からなる均一単一相組織が得られることが、TEM観察から示唆された。現在、得られた組織が種々の性質にどのような影響を与えるかを検討しているところである。
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Research Products
(6 results)