2005 Fiscal Year Annual Research Report
PET診断に基づいた器官温存を目指した新しい口腔癌治療戦略の確立
Project/Area Number |
17390527
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
山崎 裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90250464)
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Keywords | 口腔癌 / 頭頸部癌 / FDG-PET / 予後予測 / リンパ節転移 / MET-PET / 治療効果判定 / SUV |
Research Abstract |
1.FDG-PETによる頸部リンパ節の診断能についての研究 【目的】口腔癌の治療において術前に所属リンパ節の正確な評価は、手術法の選択や予後を推定する上で極めて重要である。口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移におけるFDG-PETとCTの診断能を、頸部側数別ならびに個々のリンパ節ごとに比較検討した。【対象と方法】過去約3年間に、当院で頸部郭清術を施行し、術前にFDG-PETとCTを撮影し得た口腔扁平上皮癌26例(男23、女3、平均年齢57歳)、頸部35側(両側9例)、1076個(中央値31個/側、11個〜55個)のリンパ節を対象とした。PET画像は視覚判定により評価した。【結果】pN(+)は23側46個に認められた。頸部側数別の感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率はPETで74、92、94、65%、CTでは78、58、78、58%であった。また、個々のリンパ節別ではPETで57、99.7,90,98%、CTでは63、99,73,98%であった。個々の転移リンパ節の大きさ(短径)と感度との関連を検索したところ、10mm以上ではPET、CTともに100%であったが、9mm以下ではPET:31%、CT:45%であった。また、PETは4mm以下、CTは3mm以下のすべての転移リンパ節を認識できなかった。転移リンパ節に占める腫瘍の割合では腫瘍が75%以上を占めていれば、転移リンパ節の大きさに関わらずPETで診断が可能であった。PETならびにCTによる術前のリンパ節転移の評価(N0,N1,N2a,N2b,N2c)と病理組織学的結果との関連では全26例中、正しく評価されたのは、PET:16例、CT:14例であった。過大評価はPET:1例、CT:5例、過小評価はPET:9例、CT:7例であった。PETはCTで過大評価した3例を正しく評価したが、過小評価した症例では1例も正しく評価できなかった。【結語】FDG-PETの感度は、CTよりやや低いが特異度を含めた他の診断精度はCTと同等以上であった。FDG-PETは短径10mm以上の転移リンパ節を100%の感度でCTと同様に検出可能であったが、4mm以下では検出不可能であった。FDG-PETはCTに比べ疑陽性が少ないので術前治療方針を決める際の有用なmodalityになると思われた。 2.MET-PETとFDG-PETの比較 アミノ酸合成を反映するトレーサーとして、11C-Methionine(MET)が開発された。MET-PETは細胞増殖能を直接示すと考えられ、生理的集積が低く、炎症細胞への集積も少ないため、腫瘍と炎症の鑑別に有効である。現在まで10数例の画像が得られている。FDG-PETとMET-PETの併用により、癌の検出のみならず形態診断では得られない癌の増殖や代謝を反映した情報が得られ、癌診療面においても貢献する潜在能力はきわめて大きいと考えられる。
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