2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成に最小十分なシグナルの解明と皮膚細胞からの新規骨再生法の開発
Project/Area Number |
17390530
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70251296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
鄭 雄一 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30345053)
藤原 久子 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (80396746)
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396715)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
|
Keywords | 骨形成 / 分化シグナル / 線維芽細胞 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1.骨芽細胞分化誘導分子シグナルの作用機序の解明 昨年度の骨形成性シグナル経路の組合せのスクリーニングより、骨形成性最小十分シグナルユニットとして明らかとなったBMPシグナルとRunx2シグナル(caALK6+Runx2)の分化誘導機序の解明を試みた。Runx2の転写共役因子であるCbfbに着目した。Runx2の導入によってCbfbのmRNA発現量は変化しないものの蛋白量が増加した。ユビキチンプロテアソーム阻害剤の添加によってもCbfbの蛋白量が増加したことから、ユビキチンプロテアソーム系によって分解されるCbfbはRunx2によって安定化されることが示唆された。さらにBMPシグナルはRunx2とCbfbの結合とオステオカルシンプロモーター上への誘導を促すことが明らかとなった。以上よりBMPシグナルとRunx2シグナルの組合せは、Cbfbの安定化・Runx2-Cbfb複合体の形成と標的遺伝子プロモーター上への誘導を介して骨形成性最小十分シグナルユニットとしてはたらくことが示唆された。 2.動物骨欠損モデルにおける骨形成能の検討(小動物) (1)臓器の構成 caALK6+Runx2をマウス背部より分離・培養した皮膚線維芽細胞に導入し、アテロコラーゲン膜・PLGAといった足場材料上に播種して培養した。導入後1週間で石灰化と骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現上昇が認められたことから、これらの細胞が足場材料上で骨様組織を形成したことが示唆された。 (2)マウス臨界骨欠損モデルの確立 マウス頭蓋部に直径4mmの円形骨欠損を作製し、放射線学的(X線写真・CT)に6ヶ月まで経時的に観察し、その自然経過に関する基礎データを蓄積した。術後2ヶ月より、欠損辺縁部から少量の骨形成を認めたことから、術後2ヶ月以内であれば本モデルは臨界骨欠損モデルとして利用できることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)