2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の顎骨浸潤に関する遺伝子発現プロファイル解析
Project/Area Number |
17390531
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 正午 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任講師 (50361697)
原田 浩之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (40343149)
今井 高志 放射線医学総合研究所, フロンティア研究センター・放射線感受性遺伝子研究プロジェクト, プロジェクトリーダー (50183009)
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Keywords | 口腔癌 / 骨浸潤 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
【生命倫理・安全対策に関する対策】 当機関内倫理審査委員会において研究の科学的妥当性及び倫理的正当性について検討が行われ,平成17年6月に当該研究が承認された。インフォームドコンセントを得られた患者の口腔癌病巣より癌細胞の採取を行った。現在までに17症例の下顎歯肉癌のサンプルがRNA抽出用とマウス接種用として保存されている。なお,患者の個人情報は,匿名化データベースとしてネットワーク独立型コンピュータに管理されている。 【骨浸潤モデルマウスの作製】 これまでに患者から樹立された口腔癌細胞株5種(Ca9-22,HSC-2,HSC-3,HSC-4,SAS)を用いて,骨浸潤モデルマウスの作製を行った。ヌードマウス頭頂部の骨膜上および骨膜下に上記細胞を接種し,5週間を経て癌細胞の増殖・骨浸潤を待ち,X線撮影にて頭頂部骨浸潤を解析した後,同部を摘出した。摘出されたマウス頭頂部は,脱灰処理の後,パラフィン包埋し病理組織標本とした。全ての細胞において,骨膜上に播種した場合,骨吸収は確認されなかった。一方,骨膜下に播種した場合,旺盛な骨吸収が認められ,骨浸潤様式は,病理組織により浸潤型を示した。以上より,すべての口腔癌細胞株は骨浸潤能を有することが明らかとなった。同時に,癌細胞からの骨浸潤に対して,骨膜がバリアとなる可能性が示唆された。 【遺伝子発現プロファイリング】 1)口腔癌細胞移植における形質転換の確認 患者の癌細胞より樹立された口腔癌細胞株とヌードマウスに移植増殖した口腔癌細胞株をcDNAマイクロアレイ法にて,遺伝子発現プロファイルの比較をおこなっている。現在,いくつかの口腔癌細胞よりmRNAの抽出を行ったが,cDNAマイクロアレイ法に供するには,RNAの総量が不足していることと,サンプルによってはRNAの質に問題があることがバイオアナライザーによって判明した。
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Research Products
(2 results)