2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマーカー発現定量による口腔癌の高精度個性診断の実用化
Project/Area Number |
17390532
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10242439)
藤田 一 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60271805)
新垣 晋 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (30134943)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
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Keywords | インテグリン / 予後判定 / バイオマーカー / 頚部リンパ節転移 / 遠隔転移 / 死の転帰 / 遺伝子発現量 / 舌癌 |
Research Abstract |
【目的】インテグリンは細胞の接着、運動、増殖、分化、生存に関与するといわれており、その性格から悪性腫瘍の予後判定因子(バイオマーカー)としての可能性が示唆されている。今回、舌癌悪性度のバイオマーカーとして癌組織中のインテグリンファミリー遺伝子(ITG)群の遺伝子発現量を比較検討した。 【対象と方法】対象として舌癌69症例を用いた。方法は腫瘍組織のtotalRNAからcDNAを合成し、TaqManプローブを用いた定量的リアルタイムPCR発現解析を行い、ITG遺伝子ファミリーに属するITGA-1、2、3、5、6、v、 ITGB-1、3、4、5、6の発現を定量した。得られたITG遺伝子発現データの標準化を目的にハウスキーピング遺伝子(GAPD、ACTB,、18sRNA)、上皮細胞骨格構成分子であるKRT5、細胞質内アンカータンパクのEVPN、JUP、PLEC1、PXNについても発現を定量した。それらに対するITGの発現量の比をとり、リンパ節転移や転帰など、臨床経過との関連性について統計学的手法を用いて解析した。 【結果】ITGA3、ITGB4及びITGB5の3遺伝子発現レベルと頚部リンパ節転移の成立に関与が認められ、組織学的悪性所見とも相関が認められた。特にTTGB4/JUP、 ITGB5/ACTBは遠隔転移や死の転帰をたどる頚部リンパ節転移に相関が認められる一方、ITGA3/KRT5、ITGA3/JUPには死の転帰をとらない頚部リンパ節転移に関連が認められた。死の転帰にかかわる要因について統計学的に検出されたのはITGB4/JUPのみであった。 【考察】舌癌の経過に伴い見出されるリンパ節転移には臨床的に頚部リンパ節転移のレベルで制御可能なものと遠隔転移から死の転帰に結びつくものが存在し、前者はITGA3、後者はITGB4、ITGB5の遺伝子発現レベルで定義される可能性が示唆された。
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