2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の浸潤増殖動態に関する物験的研究-特に浸潤機序の解析を中心に-
Project/Area Number |
17390533
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 悦秀 Kanazawa University, 医学系研究科, 教授 (00092445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能崎 晋一 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10283110)
川尻 秀一 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (30291371)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 増殖 / 浸潤 / 転移 / 運動 / 接着 / 間質 / 基質分解酵素 |
Research Abstract |
19年度はin virtoおよびin vivoの両方の浸潤モデルを用いた浸潤増殖像の検討、およびin vivoでは浸潤モデルにおける浸潤像とリンパ節転移との関係についてそれぞれ検討した。その結果、コラーゲンゲルを用いたin vitro浸潤モデルにおいて各癌細胞の浸潤能に応じた浸潤像を再現すること事成功し、浸潤様式が高度になるにつれゲル中へのび漫性の浸潤を認めた。また、浸潤様式4D型の癌細胞ではコラーゲンゲル中に線維芽細胞を入れない状態でも、同様にび漫性の浸潤を認めた。これらの細胞の運動能を検討した結果、浸潤能の高い細胞で浸潤時に自己分泌型の運動促進因子(autocrine motility factor)の高い発現を観察し、高浸潤細胞では線維芽細胞の産生するHGF等に頼らず 自ら産生する運動因子で浸潤する能力があることが証明された。基質分解能では各種のマトリックスメタロテナーゼ(MMP)を検討したところ浸潤能の高い細胞でMMP-2,MMP-9,MT1-MMPの過剰発現を認めた。接着能では細胞間接着分子であるE-cadherinおよびβ-cateninについて検索したところ、浸潤能の低い細胞の浸潤像では細胞間接着が強固に観察されたが、浸潤能の高い細胞の浸潤像では両者の接着分子はいずれも高度に消失していた。癌細胞周囲の間質反応を検索した結果では浸潤様式4D型において周囲に強い結合織造成が認められた。また、高度に浸潤する癌ではFGF-2およびFGF-R1の発現が間質において亢進していることが判明した。以上より口腔扁平上皮癌の浸潤像の形成には運動能、基質分解能、接着能が密接に関係していることが示唆された。また、最も高度な浸潤様式4D型では顕著な間質反応を伴いながら浸潤して行く様相が観察された。
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