Research Abstract |
人工的に作製した骨微小環境により変動する癌細胞の骨吸収関連因子発現の同定ならびに,直接骨内に移植した癌細胞の骨微小環境での動態の比較から、in vitro骨浸潤予測モデルとしての有用性を検討した。 1.in vitro骨微小環境再現モデル マウス骨芽細胞をアスコルビン酸存在下で培養後,Triton-X、NH_4OHで処理し,骨基質培養シャーレを作製,非コラーゲン性骨基質蛋白を添加し人工的骨微小環境を作製し、以下の検討を行った。 (1)in vitro骨微小環境における癌細胞の骨吸収関連因子発現の検討 骨基質上に口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2,HSC-3,HSC-4,HO-1-u1,HO-1-N1)を播種し,癌細胞の骨吸収関連因子(PTHrP, OPG, RANKL, RANK, IL-1a, IL-6, PGE_2, TNF-a, VEGF, CTGF)の発現をReal time RT-PCR法で測定した。その結果、HSC-2,HSC-3においてRANKLとRANKの発現上昇,OPGの発現低下を認めた。 (2)in vitro骨微小環境における癌細胞の破骨細胞形成能の評価 in vitro骨微小環境で培養した癌細胞培養上清を破骨細胞形成系に添加したところ,HSC-2,HSC-3において破骨細胞数の有意な増加を認めた。 2.in vivo骨微小環境再現モデル (1)in vivo骨微小環境における癌細胞の動態評価 癌細胞をヌードマウスの大腿骨骨髄腔に注入し、X線学的、組織学的に検討した。HSC-2,HSC-3,HSC-4は骨髄腔内での増殖を示したが,HO-1-u1,HO-1-N1は増殖を示さなかった。腫瘍面積および破骨細胞数はHSC-2,HSC-3はHSC-4より有意に増加していた。 (2)in vivo骨微小環境における癌細胞の骨吸収関連因子の発現の検討(進行中) 免疫組織化学および腫瘍塊の骨吸収関連因子のmRNAの発現と、in vitro骨微小環境での癌細胞のmRNA発現の相関を検討中である。
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