2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン反応に対する静脈麻酔薬の修飾メカニズムの解明と炎症反応への影響
Project/Area Number |
17390537
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 卓也 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00219825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 茂 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50253000)
櫻井 学 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50225843)
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40184626)
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Keywords | 歯学 / 薬理学 / サイトカイン / 炎症 / 麻酔薬 |
Research Abstract |
本研究は、静脈麻酔薬であるミダゾラムのサイトカイン反応への作用機序を解明し、炎症反応への影響を調べることが目的である。本年度は、昨年度の実験結果に基づき、健康成人ボランティアの末梢血単核球(PBMCs)を用いたin vitro実験で、peroxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ)関連物質のサイトカイン反応への影響を調べ、それぞれの反応に対するミダゾラムの効果について検討した。さらに、マウスを用いたin vivo実験で、ミダゾラムの全身投与による局所炎症反応に対する影響についても検討した。in vitro実験の結果、PPARγのアゴニストである15-deoxy-Δ^<12,14>-prostaglandin J2(15dPGJ2,10^<-10>〜10^<-6>M)およびRosiglitazone(10^<-10>〜10^<-6>M)は、LPS(1〜1000ng/mL)で刺激されたPBMCsのサイトカイン(IL-6)反応に対して、用量によって異なり、低濃度で増強する傾向がみられた。ミダゾラムはそれらの効果を抑制する傾向がみられた。一方、PPARγのアンタゴニストであるGW9662(10^<-6>M)はサイトカイン(IL-6)反応を増強した。これらの結果から、PPARγ経路がサイトカイン反応に複雑に関連しており、ミダゾラムがそれらに影響していることが示唆された。in vivo実験では、カラゲニン(5%,20μL)をICRマウス(8週齢)の後肢足蹠に皮下注射することで、急性炎症を惹起し、足浮腫容積測定装置を用いて注射後6時間まで足容積を測定した。カラゲニン注射後4-5時間で約150%の浮腫がみられたが、カラゲニン注射前にミダゾラム(70mg/kg)を腹腔内投与することよって浮腫が抑制されたことから、ミダゾラムの局所的な抗炎症作用が示唆された。
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