2007 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン反応に対する静脈麻酔薬の修飾メカニズムの解明と炎症反応への影響
Project/Area Number |
17390537
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮脇 卓也 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00219825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 茂 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (50253000)
櫻井 学 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50225843)
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40184626)
糀谷 淳 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60304325)
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Keywords | 歯学 / 薬理学 / サイトカイン / 炎症 / 麻酔薬 |
Research Abstract |
本研究は、静脈麻酔薬のサイトカイン反応への作用機序を解明し、炎症反応への影響について検討することが目的である。本年度は、動物モデルで主に組織および血液サンプルを用いて、静脈麻酔薬のひとつであるミダゾラムのサイトカインおよび炎症関連遺伝子発現に対する影響を調べることを目的とした。さらに、他の静脈麻酔薬の効果についても検討を試みた。マウスを施設内の動物実験施設でストレスを軽減した恒常的な環境下で飼育し、腹腔内にミダゾラムを投与し、カラゲニン注入後の足蹠浮腫による局所性炎症反応への効果を評価し、採血およびカラゲニン注入後の足蹠浮腫組織を採取した。さらに、全身性炎症反応が合やさった局所性炎症反応への影響について評価するために、LPSを腹腔内投与した動物にミダゾラムを投与し、採血およびカラゲニン注入後の足蹠浮腫組織を採取した。得られた組織および血液サンプルから、tota1 RNAを抽出し、リアルタイムPCRを行い、サイトカイン遺伝子および炎症関連遺伝子等の発現量を定量評価した。また血液サンプル中のサイトカインレベルをELISA測定キット等を用いて測定し、全身性炎症反応を評価した。その結果、カラゲニン注射前にミダゾラムを腹腔内投与することよって浮腫の抑制傾向はみられたが、組織および血液サンプルに明らかなサイトカイン遺伝子および炎症関連遺伝子への影響は認められなかった。これらの結果から、ミダゾラムの炎症反応への作用は、より複雑である可能性があること、また、実験モデルの検討がさらに必要であると考えちれた。一方、他の静脈麻酔薬であるデクスメデトミジンをカラゲニンに混合して局所投与した場合、明らかな抗浮腫効果がみられたことから、今後、デクスメデトミジンも抗炎症作用が期待できることがわかった。
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Research Products
(4 results)