2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌に対する個別化制限増殖型遺伝子治療法を目指した基礎的研究とその応用
Project/Area Number |
17390548
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大関 悟 Fukuoka Dental College, 歯学部, 教授 (80117077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 竜司 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (00369042)
橋本 憲一郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (00412619)
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (00224056)
清島 保 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (20264054)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 標的分子 / S100蛋白 / SCCA / 個別化治療法 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に則り、以下の結果が得られた。 1. 口腔扁平上皮癌細胞株におけるIL-6とIL-22のシグナル経路を比較検討した。IL-22はIL-10familyに属するサイトカインとして近年見出された。しかし、その受容体の発現は特異的で、白血球では認められてないため、IL-22は白血球間の情報伝達には機能せず、白血球から非白血球細胞への一方向のみの情報伝達で働く独特なサイトカインと考えられている。 ヒトロ腔扁平上皮癌細胞株MISK81-5におけるIL-10R2およびIL-22R1のmRNAおよび蛋白発現を各々RT-PCRおよびimmunoblottingにて確認した。rIL-22にてMISK81-5を刺激すると、一過性にSTAT3のリン酸化を認め、刺激後60分には刺激前のレベルに戻った。この反応は、rIL-6で刺激した場合と同様であった。免疫細胞化学染色にてrIL-22刺激によるリン酸化STAT3の核内移動も確認された。また、rIL-22によりMAPキナーゼ(p38,ERK1/2他)のリン酸化も誘導された。 しかし、IL-22に対して反応しない口腔扁平上皮癌細胞株やIL-6、IL-22何れにも反応しない腺癌由来細胞株も認めた。 2. STAT3結合部位APRE配列や他CRE,ISRE配列をもつluciferaseベクターを口腔扁平上皮癌細胞株に遺伝子導入を行い、IL-6とIL-22他の刺激による活性化を比較検討した。1.の結果に準じた結果が得られ、活性化した因子の機能性が証明された。しかし、追加して行ったNF-kB活性化経路への反応は本実験誘導濃度では認められなかった。 3. 1.のIL-6とIL-22によるSTAT抑制因子であるSOCSファミリーの発現変化をqRT-PCRにて検索し、何れも誘導後30分にはmRNAの発現の急増を確認した。
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