2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖シグナル機能解析による口唇裂口蓋裂ポストゲノム研究
Project/Area Number |
17390553
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野中 和明 九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (90128067)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 敏 九州大学, 大学院歯学研究院, 助教授 (30264253)
山田 亜矢 九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (40295085)
田口 智章 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (20197247)
増本 幸二 九州大学, 大学病院, 講師 (20343329)
|
Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 口唇裂口蓋裂自然発症モデルマウス / CL / Frマウス / 糖鎖シグナル / ヒアルロン酸 / 機能解析 / ポストゲノム研究 / 健康増進 |
Research Abstract |
口唇裂は、小児歯科医療分野において最も重篤な先天性顎顔面異常のひとつである。周産期医療や胎児医療の発展は目覚ましいものがあり、口唇裂の早期発見が可能となってきた。マウス口唇裂外科的閉鎖術は、術後痘痕を形成することなく口唇組織再癒合をもたらす。そこで口唇裂口蓋裂自然発症モデルマウス(CL/Frマウス)を用い、口唇口蓋発育促進により胎児期口唇裂口蓋裂自然閉鎖療法を実現する母体子宮内羊水因子を同定し、新薬開発の糸口となるポストゲノム研究の遂行に努めた。先ず糖鎖のひとつとして、羊水中に豊富に存在するヒアルロン酸に注目した。このヒアルロン酸(糖鎖シグナル)の口唇裂口蓋裂形成における機能を発生工学的に検索し、以下の結果を得た。 1.ヒアルロン酸は、口唇癒合時の上皮組織におけるTGF-fi3誘導の引き金となっていた。 2.口唇裂自熱発症CL/Fr胎児マウスの口唇を無血清器官培養し、培養液中に外因性TGF-63を投与し2口間培養を行った。口唇裂自熱発症CL/Fr胎児マウスの口唇癒合は、TGF-fi3によって濃度依存的に亢進することを確認した。 3.また同時に、血管新生のマーカーであるFlk-1、CD31、開業細胞増殖マーカーであるCyclinDlの発現の亢進がRT-PCR法と免疫染色法とWestern Blotting法を用いた実験により観察された。 4.即ちTGF-63の濃度依存的口唇癒合亢進の発生工学的機序としては、血管新生と開業細胞増殖を介していることを解明できた。 以上の結果から、Transforming Growth Facto スーバーファミリーシグナルは、口腔軟組織で口唇形成過程において必須の機能を果たす分子であり、その発現誘導因子として羊水中の糖鎖のひとつであるヒアルロン酸の関与を確認できた。これらは今まで未知の領域であった分野の開拓に貢献できるものである。次のステッブは、口唇癒合時の上皮の接触から上皮索の形成、消失にいたる過程における分子機序の解明に取り組む必要がある。
|
-
[Journal Article] Amelogenin is a negative regulator of osteoclastogenesis via down-regulation of RANKL,M-CSF and fibronectin expression in osteoblasts2007
Author(s)
Miyuki Nishiguchi, Kenji Yuasa, Kan Saito, Emiko Fukumoto, Aya Yamada, Tomokazu Hasegawa, Keigo Yoshizaki, Yoko Kamasaki, Kazuaki Nonaka, Taku Fujiwara, Satoshi Fukumoto
-
Journal Title
Archives of Oral Bioloby 52
Pages: 237-43
-
-
-
[Journal Article] Induction of salivary kallikreins by the diet containing a sweet-suppressive peptide,gurmarin, in the rat2006
Author(s)
Ayako Yamada, Yuki Nakamura, Daigo Sugita, Shinya Shirosaki, Tadahiro Ohkuri, Hideo Katsukawa, Kazuaki Nonaka, Toshiaki Imoto, Yuzo Ninomiya
-
Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications 346
Pages: 386-92