2007 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性硫黄化合物による歯周組織細胞のアポトージスの誘導とその歯周病原性の研究
Project/Area Number |
17390568
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
八重垣 健 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 教授 (40166468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勉 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (60130671)
田中 とも子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70307958)
小黒 章 明倫短期大学, 教授 (90107780)
村田 貴俊 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10313529)
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Keywords | 硫化水素 / アポトージス / DNA損傷 / 口臭 / 歯周病原生 |
Research Abstract |
この研究ではヒト歯肉由来上皮細胞様細胞Ca9-22細胞を使用し,硫化水素がアポトーシスを誘導するか検討した.同時にヒト歯肉由来繊維芽細胞に対する検討も行った.方法は,細胞を硫化水素100ng/mlAir-5%CO_2に24時間,48時間,72時間と持続的な暴露を行い,フローサイトメトリーによるアネキシン-Vの染色性によりアポトーシス細胞の検出をおこなった. 結果,Ca9-22細胞ではコントロールと比して,アポトーシス細胞発現の有意な上昇が認められた(the Kruskal-Wallis test,p<0.05).さらにMitoSox^<TM>によるミトコンドリア由来のROSを定量したところ有意な増加を認め,酸化ストレスの増加が確認された.さらに,ミトコンドリア電子伝達系の脱分極をMitoPotential^<TM>にて測定したところ,これも著明な増加を確認した.さらに,カスペース3,カスペース9の活性増加が認められたが,反対にカスペース8には変化は認められなかった.以上より,硫化水素は,ミトコンドリア電子伝達系に障害を来たし,ROSを増加させ,カスペース9由来の経路に由来するアポトージスを惹起すと推論された.しかしBcl familyに由来するカスペース8に依存するアポトージスの発生は否定された.以上より,口臭物質である硫化水素はROSを発生させ,歯肉炎発生過程において,歯肉上皮にapoptosisを発生させることで,上皮の機能低下を来たし,歯周炎発生の原因になると考えられた.
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