2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390573
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
川原 由佳里 The Japanese Red Cross College of Nursing, 看護学部, 准教授 (70308287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
安達 祐子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70248970)
樋口 佳栄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (00460098)
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Keywords | 看護技術 / 補完・代替療法 / リラクセーション / ハンドマッサージ / 癒し |
Research Abstract |
最終年度である今年度は開発した看護ハンドマッサージの安全性・有効性を検討するためがん患者への実施を試みた。対象者は研究の主旨を理解し、協力に同意した外来通院中のがん患者5名であり、安静5分の後、オイルを用いた片側7分間のハンドマッサージを実施した。効果を測定するために、マッサージを実施しない対側の手の脈波、皮膚温、血流、心電図を持続的に測定、また実験の前後でPOMS、タッチ尺度への記入を依頼した。データはSPSS15.OJ for Windowsを用い分析した。結果、身体のリラックスを示唆すると考えられる心拍数の減少が全事例で認められた。しかも副交感神経系の緊張を反映しているといわれるHFは4事例で上昇していた。さらに自律神経の反応を受ける指尖部の皮膚温度および皮膚血流量においても、それぞれ4事例、3事例で上昇し、交感神経の緊張が緩和されているという結果が示された。しかし交感神経系の反応を反映するといわれているLF/HFの上昇も3事例で認められた。心理的反応の分析やインタビューデータからは、ハンドマッサージの気分改善やリラックスを示唆する反応が認められたが、その反応には個人差があり、ハンドマッサージの時間が短い、力が弱い、両手にもやってほしいなど物足りないという感想を述べる者もいた。実施中の気分不良なども見られず、ハンドマッサージの安全性が明らかになった。以上からハンドマッサージは安楽やリラックスをもたらす効果があるが、片手7分のマッサージは外来通院しているがん患者によっては物足りない場合もあることが明らかになり、今後患者に応じてマッサージの内容を修正し、適応する状況を考慮する必要性が明らかになった。
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