2007 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔看護における認知行動的アプローチを基盤とした自己管理支援システムの開発
Project/Area Number |
17390585
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
東 ますみ University of Hyogo, 応用情報科学研究科, 准教授 (50310743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 紘 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20028393)
吉村 裕之 国立大学法人愛媛大学, 医学部看護学科, 教授 (70093945)
川口 孝泰 国立大学法人筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (40214613)
神崎 初美 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 准教授 (80295774)
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Keywords | 遠隔看護 / 自己管理 / 自己制御 / セルフモニタリング / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知行動的アプローチを基盤とした遠隔看護で使用できる自己管理支援プログラムを開発し、糖尿病患者においてその有効性を検証することである。 平成18年度に構築した自己管理支援システムを組み込んだ携帯電話を糖尿病患者3名に貸し出し、1ヶ月間試行した後に半構成的面接を行った。携帯電話への入力はパソコンよりもクリックする回数が多くなるため、面倒であるとの意見があった。そこで、操作性を向上させるため、一括入力ができるようにカレンダー機能を追加するなど、システムの改良を行った。 次ぎに、2型糖尿病の壮年期男性有職者4名に対して、3ヶ月間、改良したシステムを組み込んだ携帯電話や、歩数計、尿糖計などを貸し出し、有効性の検証を行った。入力項目は、月目標、週目標、目標に対する4段階評価と、体重、体脂肪率、腹囲、歩数、総消費カロリー、運動消費カロリー、尿糖値、食事摂取予測カロリー、食事写真である。これらの項目の中から、目標に応じた項目を選択しデータ入力を行ってもらった。糖尿病療養に必要と思われる知識や行動変容を促すヒントについて、毎日メールマガジンを配信した。2名は介入群として、1週間に1回『気づきを促す』『具体的な解決方法を示す』『良い面への積極的な強化』などのフィードバックを行い、他の2名は、自己完結群としてフィードバックは行わなかった。介入群の介入前のHbAlcの平均は6.3%、3ヶ月後は5.5%と大幅に減少していた。また、介入前の体重、体脂肪率の平均は68.7kg、21.8%であったが、3ヶ月後は64.7kg、19.5%といずれも減少していた。自己完結群の介入前のHbAlcの平均は7.0%であり、3ヶ月後は6.8%と減少していた。体重、体脂肪率の平均は、介入前59.5kg、20.7%、3ヶ月後は58.4kg、19.7%とやや減少傾向にあった。症例数は少ないが、介入群、自己完結群共に自己管理支援システムの効果が認められ、フィードバックを実施する方が、より効果的であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)