2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨床看護実践の技術化を図る-実践事例の集積システム構築と埋もれた経験知の表出から
Project/Area Number |
17390588
|
Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
川嶋 みどり 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70367217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂野 香おる 千葉県立衛生短期大学, 看護学科, 教授 (00208612)
横山 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (40329181)
殿城 友紀 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (60440252)
河口 てる子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50247300)
|
Keywords | 経験知 / 看護実践事例 / 事例個票 / web / 包帯 / 集中治療室 / 嚥下 / 摂食 |
Research Abstract |
平成18年度は、事例分析から看護援助の軸や経験知を明らかにしようとする事例集積グループ、エキスパートの技を明らかにするビデオ録画を用いたナラティヴのグループの3グループにより研究を進めた。 事例集積グループは、2000年に発表された国内の看護系雑誌および看護系学会誌23誌から看護実践事例が掲載された文献を収集し、独自に開発した分析方法を用いて事例の分析をすすめた(昨年度は2001年度に掲載された事例の検討を行っている)。また、事例分析の成果として作成した個票のチェックするシステムを確立した。研究協力者個々が分析・作成した個票を、個票作成者を含まないグループで監査を行うシステムである。このようにして2001年度分事例個票110票を完成させ、web版データベースシステムに組み入れた。一方で、web版事例集積センター開設準備チームは、web上で行う(1)事例検討結果の公開、(2)事例公募システムについて検討し、事例集積グループの取り組みの紹介の他、データベースの中から関心のある個票を検索できるよう、検索システムを構築した。平成18年度末、web版事例集積センターの開設に至った。19年度は、web版事例集積センターの活性化を中心に、個票作成を進めつつ、全国の多くの看護師諸姉からweb上での実践事例投稿してもらえるよう、広報活動もあわせて行っていく予定である。 ビデオ録画を用いたナラティヴグループでは、集中治療室看護のエキスパートの実践場面の録画から経験知を抽出し、「救命救急センター内集中治療室看護師の瞬時の判断と素早い対処」と題して第57回日本救急医学会関東地方会にて発表した。また、包帯法のわざについては、包帯を巻いた場面の映像を看護師本人に視聴してもらい、映像を観ながらのナラティヴを逐語録とし、その分析を行った。さらに、診療科が異なる看護師に、その診療科における代表的な事例を想定した巻き方で包帯を巻いてもらい、個々の圧迫圧(着圧)を測定した。目的に応じた圧迫圧(着圧)の差異について検討している。さらに18年度末より摂食・嚥下機能を賦活化する看護援助のエキスパートナースに注目し、実践場面についてビデオ撮影を用いて参加観察・面接調査を行った。また専門家よりビデオ録画を視聴しながら知見を得た。 以上3点は、引き続き得られたデータの分析、および分析結果に応じて適宜データの収集が必要である。
|
Research Products
(2 results)