2008 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆症高齢者とその介護者に対するグループケアを活用した相互支援プログラムの開発
Project/Area Number |
17390592
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
水谷 信子 University of Hyogo, 看護学部, 教授 (20167662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 千代 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (80321256)
久米 真代 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (70438266)
石橋 信江 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (50453155)
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Keywords | 認知症 / 相互支援プログラム / アクティビティケア / 介護教室 / 認知症介護 |
Research Abstract |
本年度は、相互支援プログラムの実施における、運営指針を作成するために、認知症高齢者セッション、介護家族セッション、共に参加するセッションにおける運営者の意図を分析した。その結果、高齢者セッションでは、ゆらぎやすい認知症高齢者の調子や力を正確に把握するために、たえず意識して高齢者を観察していた。また、認知症高齢者が他者と対話する力や主体性・積極性を引き出していた。さらに、“できる"実感を得ることができるような関わりを行うことで、認知症高齢者が失いがちな自信の回復につなげていた。 介護家族セッションでは、認知症高齢者の現状に即した知識の向上により、介護家族と認知症高齢者の生活に緊張が少なくなるように働きかけていた。また、介護体験を共有することで、介護経験に意義を見出し、他者の体験から学ぶことや他者との相互作用により、自己の介護の肯定感につながるように、介護家族同士の交流を促していた。その中で、介護家族が多くの選択肢を持ち、自分の介護スタイルを形成できるような基礎を作っていた。 共に参加するセッションでは、普段共に生活をしている認知症高齢者と介護家族が、互いの存在を改めて意識し、日常生活では気付き難いプラス面の理解を促進するために、認知症高齢者の持つ力を引き出すように関わっていた。また、その場に入り込んで高齢者や家族個々と向き合い、人としての関係性を築く関わりを実践していることが明らかとなった。 これらの結果は、山間地域における実践・データ収集の結果であるため、今後都市部でも実践、データ収集を行い、運営方法についての精練化を行うことが今後の課題である。
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