2007 Fiscal Year Annual Research Report
精神看護の看護技術評価-介入効果とコスト評価の視点から-
Project/Area Number |
17390594
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野末 聖香 Keio University, 看護医療学部, 教授 (10338204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 しおり 熊本大学, 医学部保健学科, 教授 (50295755)
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
安藤 幸子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (80285353)
小山 達也 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (90408568)
佐藤 寧子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (10336430)
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Keywords | 精神看護 / 看護技術 / 診療報酬 / 介入効果 / コスト評価 / リエゾン精神看護 / 精神科看護 |
Research Abstract |
本研究は、精神科領域とリエゾン精神看護の2領域において看護技術を抽出し、その実施実態と効果を明らかにし、コスト評価のための基礎資料を得ることを目的とした。本年度は4つの看護介入について調査を行なった。「精神科外来電話相談調査」では、看護師による電話相談の対象、診断、頻度、対応目的や内容、効果等の実態について、5施設30名の看護師による441件の電話相談を分析した。1回の所要時間は平均7.9分で、症状に関する相談が4割だった。電話相談による効果として「不安や心配が軽減した」(24.5%)が最も多かった。電話相談のニーズは高く、相談内容から高い専門性が求められることがわかった。「精神科家族支援調査」では、31名の看護師が新規入院患者の家族に対して行なった88の支援場面を分析した。「現在の症状に関する情報提供」(63.6%)、「不安を軽減する」(38.6%)、「疾患や治療に関する惰報提供」(38.6%)が多く、1回あたりの支援時間は10分-15分であった。看護師が家族を心理的に支えつつ疾病管理を促進していることがわかった。「リエゾンナースによる精神的支援の評価」では対象群を置いた前向き比較研究を行った。リエゾンナース介入群10名に、1回30分以上、週3回以上の支援を行なった結果、介入群の精神状態が非介入群(11名)に比べ改善した。「一般科における精神看護実態調査」では、入院患者を対象として精神状態と精神的ケアニーズについて、看護師を対象としてケアの実態について質問紙調査を行った。調査日に入院中の患者649名と日勤看護師255名が回答した。精神面での支援が必要な不安、抑うつ状態の患者が6割を超えたが、看護師がそれと認識した割合は16%であった。現在の精神的ケアに満足している患者が7割を超えたが、不安抑うつ得点が高い患者ほどケア満足度が低く、精神専門家による支援ニーズが高かった。
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Research Products
(1 results)