2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17401010
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
伊藤 郁太郎 (財)大阪市美術振興協会, 常務理事(館長) (40373518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出川 哲朗 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸課長 (50373519)
野村 恵子 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 主任学芸員
小林 仁 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸員 (00373522)
本田 まび (片山 まび) (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸員 (80393312)
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Keywords | 北宋 / 官窯 / 張公巷窯址 / 南宋 / 青磁 / 中国陶磁 / 高麗青磁 / 汝窯 |
Research Abstract |
本年度は当初計画から調査地域、調査回数の一部変更があったが、「北宋官窯」の可能性が指摘されている張公巷窯址の出土資料及び関連資料の調査を目的に中国、韓国、英国での現地調査を実施した。 <中国調査(1)> 近年発見され修内司官窯の可能性が指摘されている杭州老虎洞窯址や郊壇下官窯の出土資料、および近年その存在が明らかになった南宋越窯(寺龍口窯址、低嶺頭窯址)の官窯類型作品など出土資料について浙江省文物考古研究所、杭州市文物考古所、浙江省博物館など現地機関の協力を得ながら調査を行い、南宋官窯青磁の実体を解明する上で多くの知見が得られた。 <中国調査(2)> 河南省文物考古研究所の協力のもと、張公巷窯址出土の資料の一部を調査し、それたと地理的に近接する汝窯清凉寺窯址出土資料やほぼ同時期の高麗青磁との関連について多くの知見が得られた。また、孫新民所長や発掘責任者である郭木森氏らとの意見交換を行い、同時に今後の継続的な調査受け入れと協力についても口頭で了承を得ることができた。 <韓国調査> 官窯青磁を含む宋時代の青磁とほぼ同時期の高麗青磁の比較研究を目的に、韓国利川市の朝鮮官窯博物館で開催された「韓国・中国青磁比較展」を視察した。 <英国調査> パーシヴァル・デイビッド・ファウンデーション及び大英博物館が所蔵する宋代の官窯青磁を調査し、多くの知見が得られた。とくに大英博物館の青磁鉢(通称「アレキサンダーボウル」)が張公巷窯址のものであることを確認できたことは、張公巷窯址の数少ない伝世品として、その実態を解明する一つの手がかりになるといえる。 なお、調査研究成果の一部については民族藝術学会第100回記念研究例会において研究代表者が口頭発表を行った。
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