2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17401010
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
伊藤 郁太郎 (財)大阪市美術振興協会, 常務理事(館長) (40373518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出川 哲朗 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸課長 (50373519)
野村 恵子 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 主任学芸員
小林 仁 (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 主任学芸員 (00373522)
片山 まび (財)大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸員 (80393312)
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Keywords | 北宋 / 官窯 / 張公巷窯址 / 南宋 / 青磁 / 中国陶磁 / 高麗青磁 / 汝窯 |
Research Abstract |
本年度は当初計画から調査地域、調査回数など一部変更があったが、「北宋官窯」の可能性が指摘されている汝州張公巷窯址の出土資料及び関連資料の調査を目的に中国、韓国での現地調査と国内調査、及び研究成果の一部公表などを実施した。 1.現地調査 (1)中国調査 河南省文物考古研究所の協力のもと、張公巷窯址の現状視察と出土資料の一部を特別に調査し、また汝州文廟出土の汝窯青磁や大峪東溝窯址の調査などを実施した。現地では、同研究所の孫新民所長や発掘責任者である郭木森氏らから、張公巷窯址出土の資料について意見交換を行った。また、北京故宮博物院所蔵の汝窯青磁の調査や杭州老虎洞南宋官窯址出土の「修内司窯」銘陶片の実見など宋代官窯青磁に関して多くの新知見が得られた。 (2)韓国調査 仁宗長陵出土の高麗青磁資料を調査し、汝州張公巷青磁窯の出土資料との類似を確認することができ、高麗青磁の年代から張公巷窯が北宋官窯である可能性を探る手がかりが得られた。 2.国内調査 河南省文物考古研究所の孫新民所長と郭木森氏らとともに東京国立博物館に所蔵される宋代の青磁資料を調査した。 2.研究成果の一部公表 「張公巷窯シンポジウム」(平成19年1月、大阪市立東洋陶磁美術館)において、研究代表者が「汝州張公巷窯の発見とその意義」と題してこれまでの研究成果を反映した口頭発表を行なった。また、台北・国立故宮博物院で開催された国際シンポジウム「開創典範-北宋的芸術與文化」(平成19年2月)において、研究代表者がこれまでの研究成果を踏まえ、口頭発表を実施した。なお、本シンポジウムの正式の報告書は近いうちに刊行される予定である。
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