2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17401010
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Research Institution | The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka |
Principal Investigator |
伊藤 郁太郎 The Association for the Advancement of Fine Arts, Osaka, 常務理事(館長) (40373518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出川 哲朗 財団法人大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸課長 (50373519)
野村 恵子 財団法人大阪市美術振興協会, 学芸課, 主任学芸員
小林 仁 財団法人大阪市美術振興協会, 学芸課, 主任学芸員 (00373522)
片山 まび 財団法人大阪市美術振興協会, 学芸課, 学芸員 (80393312)
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Keywords | 北宋 / 官窯 / 張公巷窯址 / 南宋 / 青磁 / 中国陶磁 / 高麗青磁 / 汝窯 |
Research Abstract |
「北宋官窯」に比定される可能性のある河省汝州張公巷窯は、中国の国内外から大きな注目を浴びており、すでに中国政府より正式の発掘調査費が予算計上化されている。しかし、発掘予定地の住民退去問題が未解決で、2003年以来、新規の発掘は中断したままである。かかる状況の下、研究方法に若干の修正を加え、次の方法によって、「北宋官窯」と汝州張公巷窯の同定の試みに取り組んでいる。目下、最大の問題は張公巷窯の活動年代が金元代に降ることなく北宋末に求めることが出来るか否かが焦点となっている。そのため、2000〜2003年に発掘した張公巷窯出土品を中心として、 1)張公巷窯の前年代に活動した汝窯、および後年代に活動した南宋窯等の実態調査を通し、汝窯→張公巷窯→南宋窯等への造形、あるいは製陶技術の伝承が時代的に順当に行われているか否かの検証 2)張公巷窯が主に12世紀第1四半期に活動していたとすれば、その当時の高麗青磁に影響を与えていたか否かの検証を研究の中心課題として絞り込んでいる。 上記観点に鑑み、平成19年度は下記調査を実施した。 1.中国調査 (1)(7月30日〜8月3日)1)河南省文物考古研究所において末発表出土品の調査および現地研究者と意見交換。2)杭州市考古研究所において南宋官窯に比定されている老虎洞窯址出土品の調査。また、浙江省博物館での陶片資料調査。 2.中国調査 (2)(平成20年1月28日〜2月4日)1)上海博物館、安徽省博物館において元代墓葬、窖蔵出土の南宋官窯類型作品の調査。2)大雪により予定していた龍泉での調査か不可能となり、浙江省博物館、杭州歴史博物館などでの調査に切り換えた。 3.研究成果の公表台北・国立故宮博物院でのシンポジウム「開創典範-北宋的藝術與文化」(平成19年2月)において研究代表者が研究成果を踏まえた口頭発表を行い、平成19年5月、新発見の事実を加味した英文論文を提出、平成20年度には正式の報告書が刊行予定
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