2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17401013
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新谷 忠彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90114800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ダニエルス クリスチャン 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30234553)
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Keywords | パラウン / ワ / プラン / カノ / リアン / ルンミ / ザイェイン / タイ文化圏(シャン文化圏) |
Research Abstract |
研究計画2年目にあたる本年度は、代表者と分担者が掘り下げた調査が必要と考える地域で個別の調査を行った。まず18年5月から7月にかけて、研究分担者のダニエルスが中国雲南省徳宏において徳宏タイ族とパラウン族を中心としたモン・クメール系民族との間の接触関係を探るため各民族の文化調査を行うとともに、タイ系言語の文献調査を行った。この文献調査によってタイ系民族がパラウン族をはじめとする北方モン・クメール系民族をどのように見ていたのかを知る手がかりが得られた。代表者の新谷は18年12月から19年1月にかけて緬旬でカローのパラウン語、同じく北方モン・クメール系のカノ語、リアン語の調査を行い、更にブラカロン系のザイェイン語の調査も行った。この調査によって・パラウン族が基本的にサルウィン河流域を生活基盤とするシャン族と行動をともにした民族である可能性が明らかになるとともに、ダノー族やリアン族の方はタイ系民族との接触以前にブラカロン系民族と接触してその影響を受けた可能性が強いことが明らかになった。代表者の新谷は更に19年2月から3月にかけてタイランド北部およびチェントゥンにおいてカチン系のルンミ語、北方モン・クメール系のパガウク語、プラン語、パラウン語、ブラカロン系のインタレー語の調査を行った。この調査から明らかになったことは、カチン系の言語はシャン語からではなくカムティー語からの影響を受けている可能性が明らかになった。また、この2年間の調査の結果、タイ文化圏(シャン文化圏)において、モン・クメール系の民族はおおむね北の方からパラウン、ワ、プランという順序で分布し、ワがあまり移動しなかったのに対して、パラウンはサルウィン河を生活基盤とするシャン系民族とともに移動し、プランの方はメコン河を生活基盤とするタイ系民族と行動をともにした可能性が考えられる。
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Research Products
(2 results)