2008 Fiscal Year Annual Research Report
植民地比以後の土地および環境利用の変化-その現状への影響アセスメント手法構築
Project/Area Number |
17401040
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡辺 公三 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 教授 (70159242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 穀彦 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (20218621)
江川 ひかり 立命館大学, 文学部, 教授 (70319490)
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 教授 (80252500)
|
Keywords | 先住民権 / 土地 / 環境 / 開発 |
Research Abstract |
本研究課題は、人類学的研究のフィールドとみなされてきた場所で、歴史過程で発生した土地をめぐるさまざまな形の争いをいかに評価するか、さらにそれが必要となった場合、何をどのように、いかに修復することが誰にとって正しいのか、判断の基準は何かという評価の問題を各フィールドの具体的なデータを基礎に、フィールドの個別性を超えたレベルで明確化することを目標とする。 そうした目標にそって今年度は以下のように研究をすすめた。代表者の渡辺は、南北アメリカ大陸全体の先住民の土地が現在は諸国民国家の領土となっているという現実の歴史過程とその意味を考えるための基本的視点の探究をめざした。より具体的にその過程をアメリカ合衆国あるいはカナダの先住民居留地でのインタヴュー調査に従事することは諸般の事情からむずかしく、先住民が保持していた土地との関係のあり方を、もっとも注目すべきかたちで議論しているレヴィ=ストロースの『神話論理』とその周辺の研究の検討と翻訳の作業を中心として進めた。 岩崎、細川、崎山はそれぞれカナダ太平洋岸、オーストラリア、メキシコにおける現地調査によって、土地をめぐる争点をきわめてアクチュアルでリアルに追求した。また高村は、もうひとつ重要な側面である葬るための場所としての土地という興味深い主題について今年度も韓国、済州島における調査を続行し、墓地と観光開発等について重要な視点を提示した。 また、研究協力者からは外れたが、本研究課題の前身において中心メンバーのひとりであったスチュアート・ヘンリ放送大学教授はグリーンランド・イヌイットでの調査から、彼らとカナダ・イヌイットとの土地観の大きな違いについて知見の提供をしてくださった。
|
Research Products
(13 results)