2005 Fiscal Year Annual Research Report
世界遺産ガッラ・プラチディア廟モザイク壁画の保存修復調査と修復技法の実証的研究
Project/Area Number |
17402001
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
工藤 晴也 東京芸術大学, 美術学部, 助教授 (90323758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎葉 聡子 東京芸術大学, 美術学部, 講師 (40401468)
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Keywords | 年代測定 / 古環境 / 材質分析 / 製作技法 / 保存科学 / 文化財 |
Research Abstract |
第一次7月19日〜7月25日、第二次10月11日〜10月23日、第三次3月8日〜3月15日の3回に渡る現地調査を行った。第一次調査では、西翼ルネッタ全面を保存修復調査の対象とすることを決定し、今後4年間のガッラ・プラチディア廟モザイク壁画の保存修復調査の詳細な研究内容と計画書を作成した。又、ラヴェンナ建築文化財景観局アンナ・マリア・イアヌッチ局長と東京芸術大学壁画第二研究室はガッラ・プラチディア廟管理者ラヴェンナ大司教管区に対して修復調査に関する許可申請を行った。第二次調査では、東京芸術大学壁画第二研究室と国立ラヴェンナモザイク修復専門学校との間でガッラ・プラチディア廟モザイク壁画の保存修復調査に関する共同研究協定書に調印した。又、ガッラ・プラチディア廟内に足場を組み、西翼ルネッタの全体像と各部分の詳細な写真撮影を行った。この撮影によりモザイク全体の汚れ、複数箇所のテッセラの欠損、亀裂箇所等を確認し、記録した。国立ラヴェンナモザイク修復専門学校が過去に調査したデータの提供を受けると共に、ラヴェンナ市立図書館においてガッラ・プラチディア廟に関する過去の修復記録の調査と資料収集を行った。第三次調査では、修士課程及び博士後期課程学生計3名を現地に派遣した。ガッラ・プラチディア廟において模写図版作成の対象となる部分のモザイクの実測を行い、模写の原本となる写真のカラーコピーの色彩補正を行った。写真資料を原寸大に拡大し、紙に写し取る作業を開始した。この作業は、今後の修復調査において原本となる模写図版であり、平成19年度まで続ける予定である。前回に引き続き、調査報告書の資料となる写真の選定及び基礎資料、図版の編集を行った。ガッラ・プラチディア廟内部に温湿度計を設置し、年間の温湿度変化の記録を開始した。 研究室においては現地調査にて行ってきた写真資料の編集、収集した資料の翻訳などを継続的に行っている。
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