2005 Fiscal Year Annual Research Report
最先端知的財産権の法的エンフォースメント・メカニズムの学際的研究
Project/Area Number |
17402005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大渕 哲也 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30322035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00186959)
井上 由里子 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (60232568)
平嶋 竜太 筑波大学, 大学院ビジネス科学研究科, 助教授 (70302792)
|
Keywords | 知的財産法 / 知的財産権 / エンフォースメント / 学際 / 先端科学技術 / 比較法研究 / 米国法 / 欧州法 |
Research Abstract |
昨年7月には、米国での知財法研究の中心の一つであるワシントン大学主催のシポジウムに代表者大渕が参加して、米国を中心とする国際的知的財産法の理論と実務の双方につき最先端の情報を得ることができた。同年9月には、パリで開催された国際著作権協会(ALAI)の研究大会に、大渕が参加し、第2日目の午前の重要なセッションにおいて司会を務めた。従前、工業所有権法が研究の中心をなしていたが、著作権法に更に大きく研究領域を拡大する契機となった。同年10月には、日本・中国・韓国のアジア三極による知的財産法シンポジウムが韓国ソウルで開催されたが、これにも、大渕が参加して、知的財産高等裁判所設立後の知的財産訴訟の変化に関する報告を行った。アジアの知的財産法に関する本格的比較法研究を開始する契機となった。 以上のような海外学術調査での成果を十分踏まえて、大渕において、「特許法等の解釈論・立法論における転機」を公刊した。これは、本科研費の中心的研究テーマである、特許権侵害訴訟における特許無効の主張の可否、特許審決取消訴訟における審理範囲等という最重要論点につき、両者を総合的に視野に入れて論じた意欲作であり、学界のみならず、実務界(特に司法界)において、従前の通説ないし定説に本質的な再考を迫り、大きな反響を呼んだ。また、大渕ら共著の『クレーム解釈論』の「クレーム解釈と特許無効」(大渕執筆)も、同様に大きな反響を呼んだ。 研究分担者斉藤は、後掲論文において、知的財産法システムにおける行政法理という重要論点につき注目すべき理論を提示した。また、同井上は、不正競争防止法に関する後掲論文2点において、各重要論点につき、注目すべき理論を打ち出した。同平嶋は、後掲論文2点において、ドメイン名と間接侵害という各重要論点につき、サイバー法という新たな視点からの理論的貢献を行った。
|