2005 Fiscal Year Annual Research Report
国米・韓国における都市高速道路徹去事業の経緯と効果
Project/Area Number |
17404015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塩崎 賢明 神戸大学, 工学部, 教授 (20127369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 真一 神戸大学, 工学部, 助教授 (70231850)
堀田 祐三子 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (40346250)
石川 路子 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (10379464)
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Keywords | 清溪川プロジェクト / 再開発計画 / 清渓川再開発対策委員会 / アラスカン・ウエイ / ニスコーリ地震 / トンネル事業 / 環境調査 |
Research Abstract |
1.韓国における清溪川プロジェクトの継続的調査 今年度の現地調査は,(1)進捗状況把握のための視察(清渓川7〜8街,再開発アパートのサミルアパート,東大門運動場),(2)現地の住民・商業者に対するヒアリング(清渓川再開発対策委員会,清渓川商権守護対策委員会),(3)ソウル市政開発研究院へのヒアリングを行った.調査時点において川の復元事業はほぼ完成しており,本プロジェクトによるヒートアイランド現象の軽減や観光客の増加等の経済効果がある一方で,周辺の交通渋滞の悪化やCO_2排出量の増大といった問題が懸念されている.また当初計画されていた再開発事業の一部は,権利者の合意が得られていないことや事業担当者であったソウル市副市長の逮捕を受け頓挫している.さらに他の再開発計画も商業者の意向を与していないため反発が強く,権利保障への不信も増大していることがわかった.これらの問題に対する対応策はまだ講じられておらず,今後の経過をさらに調査・分析する必要がある. 2.アメリカにおける高速道路撤去プロジェクトの調査 今年度は,ワシントン州シアトル市におけるアラスカン・ウエイ高架高速道路の更新事業(以下,AWVPJ)について視察・調査を行なった.本高速道路は,耐用年数を既に経過している上に2001年のニスコーリ地震によって少なからぬ損傷を受けており,早急な対応を要する社会基盤の一つである.AWVPJ案の検討・策定にあたっては,(1)地震等の災害に強い道路の建設,(2)将来的な交通需要への対応,(3)周辺地域の利用価値を向上させる環境整備,等が主要な検討項目とされた.できる限り住民を巻き込み,その同意を得る形で,2004年8月には既存の高架道路を撤去し,6車線の高速道路を地下に移設するというトンネル事業が最優先案として決定されている.事業資金には,連邦政府等からの補助金を含め燃料税の増額分が充当されることが決定し,2008年の本格的な始動に向けてより詳細な環境調査が開始されているところである.
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Research Products
(4 results)