2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本統治の歴史をもつ中国・青島歴史街区の住み方に関する研究
Project/Area Number |
17404017
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 庸一 日本工業大学, 工学部, 教授 (10049710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 知子 西日本工業大学, 工学部, 助教授 (30258503)
伴丈 正志 長崎総合科学大学, 工学部, 助教授 (60218675)
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Keywords | 中国・青島 / ドイツ租界 / 日本統治 / 中庭型街区 / 向陽院 / 集合住宅 / 都市発展 / 保全活用 |
Research Abstract |
中国・青島市は、かつてはいくつかの漁村の集まりにすぎなかったが、ドイツ軍、日本軍の占領下でそれぞれの都市計画が実施され、現在の青島・旧市街の都市構造が決定づけられた。いまも都市構造や歴史的建造物に当時の影響を見つけることができる。しかし、中国沿海都市の都市化は急速でかつ変化も大きく、さらに近年の青島への世界各地からの経済投資に伴う開発、2008年に開催される北京オリンピックの一翼を担った開発が急ピッチで進んでいる。本研究では、中国・青島の歴史街区構成の現況と居住している人々の住み方を明らかにし、日本統治の歴史をもつ歴史街区を保全活用した居住地整備計画について提言をまとめることを目的にする。本年度は、04年度に行った現地調査をもとに典型街区の配置構成・間取りと住み方の分析考察を進め日本建築学会05年度近畿大会に報告するとともに、05年3月に歴史街区の外観構成に関する予備調査、9月に本調査を実施し、その結果を図面化したうえで、06年2月に中国・青島理工大学を会場に、日本建築学会公開研究会・青島の歴史街区の保存を考える、を開催した。成果の要点は、街区構成には中庭型街区と中庭分割型街区があること、中庭型街区は東西方向50-60m、南北方向40-50m、高低差1.5-4.5mで、いずれの街区もほぼ同様の敷地形状を示し、高低差を解決するために建物を平均4分節していて、それが階高、屋根高に反映されている、1階はすべて店舗で、平均6mの間口の9店舗が並ぶ、2階は住居で、住居へのアクセスは中庭側に設けられた回廊になる、住居は、3連戸型(入口を3戸が共有)と単独型(各住居に専用入口)が見られるが、いずれも入口側に外間または厨房、奥に内間または臥室を配置する2室構成で、かつては中庭に共同炊事場・共同トイレがおかれていた、である。
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Research Products
(3 results)