2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17404022
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小瀬 邦治 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (40034409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 宏紀 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (40363022)
平田 法隆 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (80181163)
肥後 靖 広島大学, 大学院国際協力研究科, 教授 (20156582)
吉村 康男 北海道大学, 大学院水産科学研究科, 教授 (50322847)
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60106804)
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Keywords | 河川輸送 / 東南アジア / 輸送システム / メコン河 / GPS / 深浅測量 |
Research Abstract |
本研究では,現地事情に適合した河川輸送システムの開発戦略を確立することを目的に以下のことを実施した。 1.JSPSの拠点校交流事業の一環として,東カリマンタンのマハカム河においてKGPSと測深器を用いて,深浅測量を行うとともに,河川輸送の実態調査を行った。ここは,石炭の産地で,曳航式バージを使用して石炭輸送を行っている。河川の水深は乾季でも10m前後であったが,河口付近の海は遠浅で浚渫して水路を確保しても,水深が5m程度しかなく,バージが水路から外れて浅瀬に乗り上げていた。 2.メコン河下流域(ミトープノンペン)とトレンサップ川,トレンサップ湖の実態調査を行った。ベトナム側のメコン川周辺と中州には運河が張り巡らされ,多くの船が通航していた。一方,カンボジア側では商船はほとんど見あたらなくなったが,今後の発展を予感させるコンテナ船の運航が始まっていた。この流域の橋は現在のところ前江のVinh LongにあるMy Thuan橋のみである。後江を渡りLong Xuyenに向かう所のフェリーは,利用客が多く,2隻でピストン輸送していた。 3.以上の調査結果を踏まえ,以下が要約される。 (ア)河川輸送には水深等の把握を含め、輸送環境の公的管理が必要で,今回はKGPSと言う新技術を用いた河川情報の取得の可能性と有効性を確かめた。また,河川航行の支援だけでなく,GPSや水深データベース等の新しい技術を用いた支援法の確立が急務である。 (イ)河川輸送は場所による性状の変化も大きいから,プッシャー方式のマルチバージの採用が推奨される。 (ウ)水位の変化に対応力のある河川港湾が重要で,荷役のコスト,サービス品質が河川輸送自体の評価に大きく貢献すると理解される。 (エ)河川輸送は更に拡大すると期待されるが,橋梁建設が検討されており,最大船型を考慮した橋桁高さの算定を至急行う必要がある。
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Research Products
(4 results)