Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00193524)
徳永 幸彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90237074)
津田 みどり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (20294910)
柴尾 晴信 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (90401207)
日詰 雅博 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30116967)
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Research Abstract |
嶋田と伊藤は院生の加藤を指導して,メキシコ産Mimosestes属のマメゾウムシの分子系統解析を行い,寄主植物の単食化,広食化の進化の方向性を解析した。一般に植食性昆虫は,寄主植物への適応が進むにつれ,広食性から単食性に進化が進むと考えられている。しかし,分子系統樹と寄主植物の多様度を照合すると,Mirnosae種群(M.amicus,M.insularis,)M.mimosae)は逆方向の単食性から広食性に多様度が広がっていることが分かった。また,嶋田と日詰は,アズキゾウムシのX染色体に遣伝子水平転移したWolbachiaの遺伝子断片をゲノム解析した。津田は,植食性昆虫の寄主植物シフト過程を分析した。近年寄主植物の解明が進んだ狭食性の東欧産マメゾウムシBruchus属12種とその寄主マメ科草本(ソラマメ連)の組み合わせについて,ハンガリーにて野外調査を行い,マメゾウムシ分子系統樹(Cytb,12S,COIに基づく)と各寄主形質との一致度を比較した。用いた形質は1.寄主の形態(外果皮の表面形態),2.化学生態(豆果の表面成分),3.フェノロジー(豆果形成時期),4.分子系統樹(ITS,trnL,matKに基づく)。その結果,最も一致したのは(有意ではないが)化学組成であった。徳永は,ヨツモンマメゾウムシにおける壁の形成と幼虫4期の競争様式に関する研究を行った。また,FrickeandArngvist(2006)で報告されたヨツモンマメゾウムシとアカイロマメゾウムシの掛け合わせ可能性の真偽を明かにするために,英国のP.Credland博士とR.J.Hodges博士を訪問し,保管されているヨツモンマメゾウムシなどの系統を分譲して分析に用いた。
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