Research Abstract |
本年度は,中国貴州省におけるオサムシ亜族,ネクイハムシ亜科の調査を6月30日から7月6日にかけておこなった(曽田).オサムシ亜族については,雷公山,斗蓬山の2カ所でピットフォール採集を行い,トゲオサムシ属,カブリモドキ亜属数種を採集した.このうち斗蓬山はこれまでオサムシ亜族の調査例がない場所と思われる.ネクイハムシ亜科については,貴定と貴陽において,河川におけるキイロネクイハムシ属の産地の調査を行った.ハンミョウ類については,インド北部において9月21日〜29日に調査を行った(堀・細).中国で採集したオサムシ亜族に関しては,同定作業をかねて,ミトコンドリアCOI遺伝子領域のシーケンス解析を行い,系統関係の推定を行った.ハンミョウ類については,ナミハンミョウとその近縁種の分子系統解析を行い,アマミハンミョウ,オキナワハンミョウ,大陸産ナミハンミョウ,日本産ナミハンミョウの系統関係を明らかにした.オオサムシ亜属の種分化に関して分子系統による分析を進め,2本の論文を公表した.また,北半球に分布するミズクサハムシ属の分子系統解析を行い,その地理的分化と分化年代を推定して論文公表した.本研究計画の最終年度にあたり,共同研究者の中国科学院動物学研究所リャン・ホンビン博士を京都大学に招へいし,中国産オサムシ科甲虫の分子系統解析を共同して行うとともに,研究の取りまとめ,今後の共同研究の計画について打ち合わせを行った.
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