2007 Fiscal Year Annual Research Report
クラカタウ諸島におけるハチ・アリ類の移住過程にかんする研究
Project/Area Number |
17405009
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山根 正氣 Kagoshima University, 理学部, 教授 (30145453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幾留 秀一 鹿児島女子短期大学, 教授 (30132525)
郷右近 勝夫 東北学院大学, 工学部, 准教授 (20265185)
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Keywords | クラカタウ諸島 / 昆虫相の供給源 / 平衡種数 / 移入経路 / 放浪種 / ジャワ / スマトラ / 森林性種 |
Research Abstract |
2007年9月8-23日に、クラカタウ諸島のハチ・アリ相の供給源の一つと考えられるスマトラ南部ランプン州の沿岸およびレグンディ島を地元のランプン大学と協力して調査した。また、クラカタウ諸島の森林性種の供給源として重要と考えられるランプン州西部のバリサン山脈南端に位置するスンブルジャヤの一次林・二次林・植林地を調査した。その結果、カリバチの中では社会性種の種数がスマトラ南部に多く、これらのうちごく一部しかクラカタウに到達していないこと、ハナバチではスマトラ寄りの3島(セベシ、セブク、レグンディ)では種相の著しい不調和が見られるものの、これら3島がスマトラからクラカタウへの侵入経路として重要であることが示唆された。レグンディ島は全島が人為によって激しく攪乱されているためアリの種数は少なく、放浪種の供給源として注目する必要がある。スンブルジャヤの森林では、クラカタウでは見つかっていない多数の森林性アリ類が採集された。これらの種がいずれクラカタウに到着するかどうかが興味ある。これ以外にシロアリについてもサンプリングを行った。同一時期に特定の分類群についてクラカタウと周辺域全体をこれだけ徹底して調査した例はこれまでにない。予定したすべての地域での調査が完了するまで論文執筆は不可能であったため、まだ出版済みの論文はない(スウィープによって採集されたアリ類についてのみ、Treubia誌に投稿中)。サンプルされた標本の同定は8割程度が完了した。2008年度中にすくなくとも4編を出版の予定である。
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