2006 Fiscal Year Annual Research Report
古代DNA分析を導入したシベリア・マンモス動物群から現代動物相の多様性変遷の解明
Project/Area Number |
17405012
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆一 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 助教授 (80192748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大舘 智志 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (60292041)
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (90125279)
押田 龍夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50374765)
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Keywords | 国際研究者交流 / シベリア / マンモス動物群 / 進化 / 古代DNA / 多様性 / 動物地理 / ロシア |
Research Abstract |
本年度の計画にしたがって、研究を遂行することができた。シベリアおよび北ユーラシアに広く分布するイタチ科のアナグマについてミトコンドリアDNAの分子系統進化学的解析を行い、アジア系とヨーロッパ系の境界線が地理的にどこになるか検討中である。これまで1種に分類されてきたユーラシアアナグマの分類が最近になって細分化され、いくつかの別種に記載され始めており、動物地理学に加え、系統分類学的にもDNAデータを応用して検討して行く。 また、北半球に広く分布しているアカギツネについても、まずミトコンドリアDNA分析を行い、日本列島産とユーラシア大陸産の地理的変異と地域内の遺伝的多様性を比較しながら、動物地理的歴史を検討している。 増田と天野が中心となり、平成18年IO月に軽井沢で開催された第17回国際クマ会議においてヒグマの自然史とヒトの文化に関するワークショップを企画開催し、ロシア・シベリアをはじめ海外のヒグマ研究者と学術交流することができた。さらに、ヒグマの自然史と文化に関するこれまでの研究成果については、天野・増田・間野編著「ヒグマ学入門」(北海道大学出版会,2006年)として出版した。また、増田は、平成19年2月に、ロシア科学アカデミー動植物生態学研究所を訪問し、西シベリアおよびウラル山脈の現生哺乳類標本およびマンモス動物群等の古生物学標本の調査ならびに研究交流を行い、これまでに余り研究が進んでいない西シベリア地域の哺乳類に関する共同研究の計画を立てることができた。
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