2007 Fiscal Year Annual Research Report
単細胞接合藻ミカヅキモの生殖隔離・種分化機構の解析
Project/Area Number |
17405013
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
関本 弘之 Japan Women's University, 理学部, 准教授 (20281652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00193524)
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (40250104)
土金 勇樹 日本女子大学, 理学部, 学術研究員 (20434152)
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Keywords | ミカヅキモ / 生殖隔離 / 種分化 / 性フェロモン / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究では・性フェロモン遺伝子の単離が完了しているヒメミカヅキモClosterium peracerosum-strigosum-littorale complexを中心に・地域的に離れて遺伝子交流が出来ない海外数カ所の拠点からそれぞれ多くの試料を採集し・地理的隔離状況を把握することを目的としている。本年度は・7月にスロバキアにて・また3月にインドネシア(バリ島)にて・それぞれの周辺地域からのヒメミカヅキモ単離を試みた。 顕微鏡下で細胞を観察したところ・両地域から・ヒメミカヅキモと思われる形態種の存在を確認した。スロバキア産のものについては・無菌培養を進め・クローン由来の系統株確立に成功している。バリ島から見出されたものについては・現在経過観察中である。 並行して、これまでに確立された系統株を用いて、2種の性フェロモン(PR-IPとPR-IP Inducer)をコードするオルソログ遺伝子の単離を行い、さらに交配実験による生殖隔離の実体把握を進めた。その結果・交配群II-A・II-Bおよびそれらと完全に生殖隔離されている交配群I-Eについて、接合型の定義が偶然逆になっていたものの、性フェロモン遺伝子の発現パターンには本質的な差がないことが判明した。また、交配群II-AとII-Bの間にある部分的な生殖隔離の原因は、交配群II-Aの性フェロモンの一つであるPR-IPが交配群II-Bに作用できないためであること、実際に両交配群から単離されたオルソログ遺伝子に顕著な変異が蓄積していることが見出され、生殖隔離・種分化と性フェロモンとの関係が明確になった。
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Research Products
(26 results)