Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 秀章 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20004450)
高橋 晃 兵庫県立大学, 自然環境科学研究所, 教授 (30244693)
早川 和一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40115267)
垣内 信子 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30204324)
池田 博 岡山理科大学, 総合情報学部・生物地球システム学科, 助教授 (30299177)
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Research Abstract |
1.平成17年7月9日から16日に,中国の東北地方(内蒙古自治区,遼寧省,吉林省,河北省)を北京大学葯学院の協力を得て,御影,池田,研究協力者2名がマイクロバスを借り上げて調査し,4地点でマオウ属植物の生態を観察し,標本を採集した。本調査で,Ephedra sinica については分布域の最東部と考えられる株を採集し,また家畜などの食害を受けていない株が採集され,さらにマオウ属植物と類似のイヌドクサが同所的に生育していることが確認できた。 2.平成17年7月26日から8月10日に,モンゴル国にてモンゴル大学ならびにモンゴル科学アカデミー植物部の協力を得て,御影,大場,池田がジープを借り上げてウランバートル周辺並びに西南部のゴビ砂漠にて現地調査を行い,計28地点でマオウ属植物53株から試料を採取した。帰国後それらのDNA塩基配列を垣内が検討した結果,モンゴルにもEphedra sinicaが分布し,また高頻度で種間交雑が起こっていることが明らかになった。それらの結果に基づき,現在大場らが分類学的な検討を加え,また御影,垣内らが組織学的,成分化学的(アルカロイドとタンニン)に検討し,池田が染色体を観察中である。 3.平成17年9月20日から30日に,中国四川省を御影と研究協力者1名が調査し,とくに茂県周辺においてマオウ属植物ならびにマオウ属類似のイヌドクサの分布調査を行ない,結果を中国における漢方生薬「麻黄」の原植物変遷の史的考察の資料に資した。また,重慶市中葯研究院長と次年度の調査(新彊省,西蔵自治区)の打ち合わせをした。 4.当初計画した中国新彊省とチベット自治区の調査はカウンターパートの都合で次年度計画とし,また2月末に計画していたパキスタンにおける調査は,現地の政情悪化のため直前で断念せざるを得なくなった。
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