2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17405022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 俊二 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90093343)
小池 智 東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 副参事研究員 (30195630)
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Keywords | テナガザル / 色覚 / 視物質 / 遺伝子 / 進化 / 霊長類 / 東南アジア |
Research Abstract |
狭鼻猿類の霊長類(旧世界ザル、類人猿、ヒト)は3種類の錐体視物質を持ち、その色覚は3色型である。3種類の視物質のうち中波長(M)と長波長(L)視物質の遺伝子はX染色体上にタンデムに配列し、核酸のレベルでは相同性が高い。このため、ヒトでは減数分裂時にしばしば不等交差や遺伝子変換などの遺伝子組換えが起こり、遺伝子の増加や欠損・ハイブリッドの遺伝子を生成する。本研究ではテナガザルのX染色体上の視物質遺伝子を調べ、ヒトと類似の多型を検索する計画である。平成17年度は、この目的遂行のための基礎調査を行うとともに、インドネシアのジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島においてテナガザル血液のサンプル採取を行った。まず、6月25-30日に三上がインドネシアのボゴール農科大学を訪問し、研究協力者のファラジャラおよびスリョブロト(ファラジャラの所属する研究室の責任者)と調査について打ち合わせを行った。また、霊長類センター、ジャカルタのラグナン動物園を訪問し、テナガザル血液サンプル採取の許可を得るとともに、サンプル採取時期などについて打ち合わせを行った。9月18日から10月2日までの期間、三上と研究協力者のファラジャラがジャワ島ボゴールのサファリ・パーク、バンドンのバンドン動物園、西部スマトラを訪問し血液サンプル採取を行った。また、10月16日から24日まで、三上と研究協力者の後藤がタイを訪問し、チュラロンコン大学の複数のスタッフおよびテナガ・リハビリテーション・センター所長とサンプル採取について打ち合わせを行った。さらに、2月9日から22日までの期間、三上、研究協力者の後藤とファラジャラが、ジャカルタのラグナン動物園、カリマンタン島のポンティアナックを訪問し血液サンプル採取を行った。これらの血液サンプルは研究協力者のファラジャラの協力を得て現地でDNAを抽出した後、現在日本国内で詳細な解析を行っている。
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