2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17405022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三上 允章 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 智 東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 副参事研究員 (30195630)
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Keywords | テナガザル / 色覚 / 視物質 / 遺伝子 / 進化 / 霊長類 / 東南アジア |
Research Abstract |
ヒトでは減数分裂時にしばしば不等交差や遺伝子変換などの遺伝子組換えが起こり、視物質遺伝子の欠損やハイブリッドの遺伝子を生成する。本研究ではテナガザルのX染色体上の視物質遺伝子の多型を調べる計画である。平成18年度は、この目的遂行のためタイにおける海外調査とインドネシアにおける予備調査を行った。まず、10月24日に後藤がタイに入国し現地スタッフと調査打合せを行った。ついで10月28日三上がバンコクに入り調査用消耗品調達などの準備の後、バンコクのバンコク動物園、コンブリ県のカオキャオ動物園、チェンマイのチェンマイ動物園を訪問しテナガザル、それぞれ17頭、12頭、27頭の血液サンプルを採取した。血液サンプルはチュラロンコン大学でDNAを抽出しPCR産物を作成した後、11月7日、日本に持ち帰った。また、12月16-22日、来年度の調査に向けてインドネシア・ボゴール農科大学で調査打合せを行なった。さらに、現地で飼育中の色覚異常のカニクイザルを用いて行動実験を行った。これらの調査と並行して日本に持ち帰ったDNAの遺伝子レベルの解析を行った。今年度はサンプルとして最も多いアジルテナガザルのオス39個体のサンプルに対してGene specific PCR法(Terao et al.,Vision Research 45:1225-1235,2005)を用い、Hybrid geneの検出を試みた。ex3-4についてはex3LF/ex3MF primerとex4LR/ex4MR primerの組み合わせによるPCRを行い、ex4-5についてはex4LF/ex4MF primerとex5LR/ex5MR primerの組み合わせによるPCRを行った。しかしながら、現時点で吸収波長決定に寄与する遺伝子座位の変異、ハイブリッド遺伝子、視物質遺伝子の欠損など色覚異常の原因となる遺伝子配列は見つかっていない。
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Research Products
(1 results)