2006 Fiscal Year Annual Research Report
根寄生植物ストライガの繁殖を起定する宿主植物ソルガムの形質および環境要因の解析
Project/Area Number |
17405027
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
杉本 幸裕 神戸大学, 農学部, 教授 (10243411)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 靖雄 神戸大学, 農学部, 助手 (90283978)
|
Keywords | 根寄生植物 / ストライガ / 宿主植物 / ソルガム / 発芽刺激物質 / 感受性 |
Research Abstract |
平成18年11月に研究者代表がスーダンを訪ね、根寄生植物ストライガの被害、分布等についての現地の研究者と情報交換を行うとともに、野外調査を行った。 研究協力者から提供された、ストライガの寄生に対して感受性のAbu70、耐性のWad Ahmed、発芽刺激物質低生産性のSRN39を、異なる窒素条件で水耕栽培した。それぞれの培地を用いてストライガに対する発芽試験を行った結果、培地の窒素濃度が低いほど発芽刺激物質の生産・分泌が高まることが見出された。このことから、施肥された畑でストライガの発生が少ないという現象を、宿主植物による発芽刺激物質生産・分泌の低下によって説明できることが判明した。 Abu70を用いて宿主の感受性に関わる因子をサブトラクション法で探索し、ストライガの寄生により発現が高まる遺伝子を38単離した。その中にはlipoxygenase、phospholipase D、cell death associated protein、fatty acid desaturase、phenylalanine ammonia-lyase、HSP90、chitin-inducible gibberellin-responsive protein、calcium dependent protein kinase等、ストレスにより発現することが報告されている遺伝子が多数含まれていた。これらの38遺伝子についてAbu70よりも感受性の高い品種Tabatおよび耐性品種Wad Ahmedにおける発現解析を行い、感受性に関わる遺伝子と耐性に関わる遺伝子を探索した。寄生を受けたTabatで特異的に高発現する3遺伝子が見出されたが、機能の特定はできなかった。寄生を受けたWad Ahmedで特異的に高発現する12遺伝子の中には、生物的ストレスにより発現することが知られている5遺伝子が含まれていた。これらのことから、宿主の耐性は、S.hermonthicaの寄生を生物ストレスと認識することが重要であることが示唆された。
|