2007 Fiscal Year Annual Research Report
根寄生植物ストライガの繁殖を規定する宿主植物ソルガムの形質および環境要因の解析
Project/Area Number |
17405027
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
杉本 幸裕 Kobe University, 大学院・農学研究科, 教授 (10243411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 靖雄 神戸大学, 大学院・農学研究科, 助教 (90283978)
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Keywords | 根寄生植物 / ストライガ / 宿主植物 / ソルガム / 感受性 / 抵抗性 |
Research Abstract |
平成19年9月に研究協力者のAbdel Gabar Babiker教授をスーダンから招聘し、根寄生植物ストライガの生態、特に、宿主植物からの養水分収奪機構について情報交換を行った。 前年度までに単離した、感受性のソルガム品種においてストライガの寄生に応答して発現が高まる30遺伝子について、詳細な発現解析を行った。サリチル酸(SA)およびメチルジャスモン酸(MeJA)処理が遺伝子の発現に及ぼす影響を調べた結果、高感受性および感受性品種で増加を示した遺伝子は一つもなく、22遺伝子の発現の減少が認められたのに対し、抵抗性品種では5遺伝子の発現が増加した。また、SA処理したソルガムの根は感受性の違いに関わらず、S.hermonthicaの瘤状組織の形成を阻害した。一方、MeJA処理では、高感受性、感受性、低感受性いずれの品種においても、JA生合成に関わる遺伝子を含む9遺伝子の発現が誘導された。しかしながら、S.hermnonthicaの瘤状組織の形成を必ずしも阻害しなかった。これらのことから、抵抗性には、SA依存型シグナル伝達の誘導が関与していることが示唆された。 寄生を受けた根から離れた部位での遺伝子発現を調べた。その結果、高感受性、低感受性いずれの品種の葉においても、ストライガの寄生に応答して、熱ショックタンパク質および低温シグナル伝達に関わるタンパク質をコードすると考えられる遺伝子の発現が高まることが見出された。これらの遺伝子が温度ストレスと同様にストライガの寄生に対しても、宿主個体全体での応答に関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)