2008 Fiscal Year Annual Research Report
京都議定書CDM植林事業における住民参加プロセスに関する研究
Project/Area Number |
17405034
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
天野 正博 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (60353562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 直人 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30332711)
日下部 朝子 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (50434337)
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Keywords | 地球温暖化 / 森林管理・政策 / 開発支援 / CDM植林事業 |
Research Abstract |
当研究は以下の2つの点を意識しながら研究を進めた。 1)地球環境問題に途上国の住民が参画できる機会を得ることができる。 2)一般に林は伐採して木材を販売するとき以外は収益を得られないが、CDM植林では植林した後保全をするだけで定期的に炭素クレジットの対価を得ることができる。 研究対象地をベトナム、インドネシア、タイ、パナマに設定し、それぞれの国の集落で植林事業の実態調査を行った。その結果、植林プロジェクトを検討する段階から住民を活動に組み込むことが重要であることが解った。また、支援する側は植林に関係する知識や技術獲得のための支援だけでなく、住民ニーズに即した支援も必要なことが解った。さらに、GDM植林は30年という長期間、森林を保続することが望ましいことから、個人ではなくグループ単位で森林管理を行う方が、長期的に安定した活動が行える。このため、住民の組織形成能力、コミュニケーション能力を向上させる社会開発面での支援も重要であるとの結論を得た。そこで、グループによる環境保全活動を持続的に行っている集落において、具体的にどのような社会開発プログラムが実施され、農民がどの程度の能力を獲得したかを調査により明らかにした。加えて、数年間隔で定期的に獲得できる炭素クレジットが、森林の持続的管理に及ぼす効用についても明らかにした。 また、植林プロジェクトを形成する際に、農民がプロジェクトを受け入れる能力を保有しているのか、不足の場合には必要な能力をプロジェクトの実施と並行してどのように向上させることが必要なのかについても、調査により明らかにした。 研究成果はインドネシアのバリ島で開催された気候変動枠組み条約締約国会合や、関連する学術誌等で発表した。
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Research Products
(8 results)