2007 Fiscal Year Annual Research Report
フナの遺伝子および行動の解析によるキンギョのルーツ解明
Project/Area Number |
17405035
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
植松 一眞 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00116542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 和海 近畿大学, 農学部, 教授 (10330242)
吉田 将之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70253119)
海野 徹也 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70232890)
立原 一憲 琉球大学, 理学部, 准教授 (70264471)
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
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Keywords | フナ属 / キンギョ / ミトコンドリアDNA / 系統解析 / 起源 / 倍数性 / 雌性発生 / 塩基置換 |
Research Abstract |
1)石垣、沖縄、佐賀、広島、高知、琵琶湖、千葉、宮城、岩手の各県、および韓国で合計133個体のフナを採集した。これらから、遺伝子解析用に筋組織を保存し、倍数性生確認のために採血するとともに、形態計測のために魚体を保存した。また、7品種のキンギョを入手し、同様に処理した。 2)韓国在来フナの分布調査のために、韓国大田市にある忠南大学海洋学部に李泰源教授を訪問した。 3)定説に基づき、形態形質の測定結果と倍数性よりギンブナ、オオキンブナ、キンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ、ゲンゴロウブナに該当すると思われる59個体のフナを選抜し解析に供した。これらのフナとキンギョのミトコンドリアDNAのうち、全配列(約16,000bp)を解析するに匹敵する系統情報が得られると判断されたND4/ND5領域(3,417bp)を解析の対象ととした。 4)解析結果から近隣結合法と最尤法で系統樹を作製したところ、ゲンゴロウブナ以外のフナは三つのクレードに明瞭に分かれた。3県で採集した5個体のゲンゴロウブナの塩基配列は完全に一致した。 5)三つのクレードとは、(1)キンギョと、沖縄本島、石垣島、韓国のフナ、(2)岩手、宮城、長野のキンブナの特徴を持つフナ、(3)ギンブナ、ニゴロブナ、ナガブナの特徴を持つ各地のフナ、である。(3)については、どの地域集団においても個体間の遺伝的距離が極めて近く、さらに遺伝的に近縁な二倍体と三倍体が同所的に分布する、という新知見を得た。 6)以上より、キンギョの起源は大陸のフナにあることが強く示唆されたことに加え、二倍体と三倍体のフナの類縁関係や起源は、本研究の成果を元に再検討せざるを得ないとの結論に達した。
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Research Products
(1 results)