2008 Fiscal Year Annual Research Report
日系アグロフォレストリーがアマゾン湿潤熱帯地域の特続的農林業開発に果す役割の評価
Project/Area Number |
17405037
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山田 祐彰 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 講師 (60323755)
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Keywords | ブラジル / アマゾン / 日系農業者 / アグロフォレストリー / 持続的開発 |
Research Abstract |
本年度はブラジル連邦共和国アマゾナス州に焦点を当てて農場を訪問し、基礎データ収集を行った。マナウス近郊、マナカプル、マウエス、パリンチンス、ロライマ州のボアヴィスタ近郊、ロンドニア州のポルトヴェーリョ近郊とジパラナーを調査した。汎アマゾニア日伯文化協会等の協力を得、各地に調査員を派遣した。この地域の日系農家は、戦前のジュート移民の子孫や日本からの戦後直来移民、ブラジル南部から移住した2世農民が混在し、数戸〜数十戸の中小規模移住地が日本の十倍近い面積に散らばっている。研究代表者が1996〜97年にパラー州トメアスー入植地全戸について行った調査と同形式で作付けインヴェントリーを実施した。農場名、住所、構成員・生年月日・職業・最終学歴、所有借入耕地番号・面積・植生内訳(原始林、拓伐済み原始林、二次林、作付け地)、耕地別の作目・作付け年・面積・植付け本数・現存本数・作付け形態(混植単作別)、および動物飼養頭羽数を記録した。開拓略史、農牧業全般特にアグロフォレストリーに関する農場主の考え方について尋ね、作付け・経営体系の特徴を観察し結果を記録した。周辺の非日系農家を訪ね、日系からの農業技術移転に関して現場観察をふまえた聞き取りを行った。本年度をもって、アマゾン全域の日系農業調査が一応完結したが、国際的に個人情報に対する考え方が厳しくなり、都市に近い一部地域や農場では、調査に協力を得られなかったところもある。そうした地域では、今後も粘り強く農場主の理解を求め、機会を得て調査を実施したい。2008年は日本人ブラジル移住百周年、2009年はアマゾン移住80周年を記念する年であり、今後の日系農業の展開と、アマゾンにおける持続的農業確立への貢献可能性について、4年間の調査結果を総括分析したい。
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