2007 Fiscal Year Annual Research Report
絶滅危惧種タマラオの生息数調査と域内保全に関する研究
Project/Area Number |
17405040
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金井 幸雄 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40015871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 正博 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (70183100)
中村 徹 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (60015881)
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医研究科, 教授 (70167485)
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Keywords | 絶滅危惧動物 / タマラオ / 野生動物 / 生存個体数 / 行動特性 / ミンドロ島 |
Research Abstract |
タマラオ(Bubalus mindorensis)は、フィルピンミンドロ島にのみ生息する小型の野生巣牛で、国際自然保護連盟により近絶滅種に指定されている希少動物である。本年度は、昨年度に引き続き、イグリット・バコ国立公園を主たる調査地として、タマラオ集団の個体数調査及び行動・食性・繁殖特性等の生態額的調査を実施するとともに、現地の目撃情報等から小頭数のタマラオの生存が期待されるアルヤン渓谷についても現地調査を実施した。成果の概要は以下とおりである。1.イグリット・バコ国立公園におけるタマラオの現存個体数について.2007/年4月に5日間にわたって同時目視観察による個体数調査を行った。その結果、全個体数は239頭(成獣、弱齢、当歳の構成比は55%、20%、25%)で、昨年度に比べ個体数の増加はみられず、タマラオは依然として絶滅の危機を脱していないことが判明した。また、その理由として、繁殖率は一定水準にあるものの、幼弱期の生存率が低いこと等が推測された(平成19年度の日本哺乳類学会に発表)。2.アルヤン渓谷におけるタマラオの生存確認について海外研究協力者に予備調査を依頼し、タマラオの目撃情報等からタマラオ生存の可能性の高い調査地を選定したうえで、2008年2月に12日間の現地調査を実施した。その結果、痕跡調査、採食痕調査により、小頭数ながらもタマラオの生存を示す証左が得られ、さらにカメラトラップにより、1頭のタマラオ(成熟オス)の撮影に成功した(平成20年度の日本生態学会で発表予定。3.糞中DNA分析によるタマラオ集団の遺伝子解析について検討ウシ、スイギュウ、及びタマラオのチトクロムbの塩基配列に関する文献情報をもとに、タマラオの糞を用いた遺伝子解析が可能かどうかについて検討した結果、一定範囲でタマラオの識別が可能であることが判明し、さらに検討することとした。
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Research Products
(1 results)