2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17406003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30283592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 義昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00093310)
木内 文之 医薬基盤研究所, 薬用植物資源研究センター, センター長 (60161402)
北山 隆 近畿大学, 農学部, 助教授 (00278730)
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Keywords | 国際研究者交流 / ラオス:ベトナム:タイ / 民間伝承薬 / フィールドワーク / ジンコウ / シナモン / シソ / 薬用資源植物 |
Research Abstract |
本年度は、前年度のラオスの調査で収集したエゴマ(シソ)約30サンプルについての栽培とラボでの各種実験、また同じく収集したショウガ科民間薬の基原同定を目的とした栽培をおこない、2006年11月にはラオス中南部のサヴァンナケート州で、また2007年3月にはベトナム中部のダナンにて現地調査を行った。エゴマは、呼称等の付帯情報の整理を行った後、分果(いわゆるタネ)について、固さ(潰れ易さ)測定と大きさの指標となる1000粒重測定を行い、栽培は本学附属薬用植物園内の圃場にて行った。生育した個体の新鮮葉にっいてTLCにより精油型を判別し、各精油型についてエーテルエキスのGC-MS分析を行った。その結果、収集したエゴマはすべて軟実で大型であり、葉の精油型にはペリラケトン型をはじめとする5つの型が見出され、食用にする分果についてはよく育種されているものの、利用しない葉については選択圧がかかりにくいため、遺伝的多様性が大きいことが示唆された。それぞれの精油型のGC-MS分析結果を既報の日本産ペリラ属植物の分析結果と比較するとよく一致した。さらに、シソフラン型の精油成分の中に相当量のβ-ナギナテンと予測される成分が含まれることが明らかとなり、一連のシソフラン生合成経路解明の新たな材料となることが期待された。ラオスのサヴァンナケート州での現地調査では、エゴマについては利用の実態が全くなかったが、ジンコウについては、蒸留工場や栽培圃場を訪問し、各種情報を収集した。ベトナムの現地調査では、桂皮の加工場、生産林、またジンコウの蒸留工場や中間卸業者を訪問し、情報とサンプル収集を行った。ラオスの民間薬に関する基原の同定作業とエキスの生物活性スクリーニング、エゴマを使ったモノテルペン精油成分生合成酵素に関する研究が進行中である。
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Research Products
(1 results)