2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける漢薬資源の調査と薬用植物の多様性の解析
Project/Area Number |
17406004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小松 かつ子 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 征雄 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (40126545)
田中 謙 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教授 (60418689)
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助手 (10272931)
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Keywords | 薬用植物 / 漢薬 / 分子系統学 / 品質評価 / 認知症 / C型肝炎ウイルス / 国際研究者交流 / 中国:モンゴル:タイ |
Research Abstract |
1.学術調査 モンゴル西部で麻黄、甘草及び黄耆の資源植物の調査を行い、164点の薬用植物を採集し同定した。 2.遺伝的・成分化学的多様性 (1)莪朮:市場品の基原と遺伝子型(trnK遺伝子)を明らかにし、精油成分を検討した。8成分が同定され、それらの組成により5タイプに分けられた。四川省産Curcuma phaeocaulis由来莪朮は日本産C.zedoaria由来莪朮と同一のタイプに属し、広西壮族自治区産C.kwangsiensis(gl)由来莪朮及び多様な遺伝子型を示す莪朮には3タイプがあった。 (2)刺五加:正品であるEleutherococcus senticosusの遺伝子型(trnK遺伝子)には7タイプがあった。同種を鑑別するために、制限酵素Ase Iを用いたPCR-RFLP法を開発した。 (3)大黄:市場品及びRheum属植物のmatK遺伝子の解析を進め、塩基配列の地域特異性及び同定のための分子マーカーを見出した。 (4)黄耆:中国産野生及び栽培黄耆、モンゴル産Astragalus属植物のAstragaloside類とIsoflavonoid類6成分を定量し、良質な山西省産野生黄耆に匹敵するものを内蒙古産栽培黄耆に見出した。モンゴル産植物は東南部の中国国境付近のもののみが黄耆として使用可能であり、多くは成分含量が低かった。 3.薬理作用と活性成分 (1)抗認知症作用:石菖蒲メタノールエキスの高極性側の画分はアミロイドβにより誘発されるラット大脳皮質神経細胞の神経突起萎縮に対し有意な軸索伸展作用を示し、一方低極性側の画分は有意な樹状突起伸展作用を示した。 (2)抗C型肝炎ウイルス作用:HCV RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害活性を示した雲南省産の紫金皮(Tripterygium hypoglaucumの根皮)から活性成分としてdemethylzeylasteralを単離、同定した。
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Research Products
(7 results)