2006 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ遺児のケアに関するソーシャルネットワークと公的セクターの役割に関する研究
Project/Area Number |
17406021
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
徳永 瑞子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (10363475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 紅也 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
松山 章子 長崎大学, 国際連携研究戦略本部, 助教授 (70404233)
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Keywords | エイズ / エイズ遺児 / ソーシャルネットワーク |
Research Abstract |
世界全体でエイズ遺児は1200万人と推計され、深刻な社会問題となっている。中央アフリカ共和国の成人HIV感染率は13.5%で、エイズ遺児は増加傾向にあり、2010年には両親不在の孤児が4.2%、母親不在は5.5%、父親不在は4.9%に増えると推定されている。都市部は遺児がいる世帯数が多い。6-11歳の遺児(両親不在)の就学率は、都市部で68.3%、郡部で27.9%と低い。貧困世帯の養子になった遺児は、労働力とされている例も多く、民間または公的なセクターによる就学支援は必須である。 有吉らは、北タイランパン県に居住するHIVに感染した親を持つ子供496名とその養育者を対象に、家庭環境、社会・経済および支援状況を調査する地域ベースの量的調査を2000/2003年に実施、さらに2005年11月より2006年6月にかけて追跡調査を行った。その結果、413名が追跡可能、13人が死亡、70名が移転により所在不明であった。追跡期間中に母親が67名、父親が49名死亡、新たに60名の子供がエイズ孤児になった。その結果両親が生きている子供の割合が18%から4%に減り、エイズ孤児の割合が27%から45%へと増加した。養育者は約5年の時間が経過した結果、祖父母以外の養育者の保護下にあった子供が多く居た。何らかの支援を受けた子供の割合は45.6%から62.3%へ増加した。 松山らは、チェンマイ大学、Sansai郡公衆衛生局と協力して、HIV感染者を親にもつ子ども400人とそうでない子ども400名の調査を計画し、2006年11月に長崎大学熱帯医学研究所倫理委員会から、2007年1月にチェンマイ大学医学部倫理委員会から承認を得て来年度実施する予定である。
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