2005 Fiscal Year Annual Research Report
西ニューギニア地域における、神経難病の実態に関する研究
Project/Area Number |
17406024
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
奥宮 清人 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (20253346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
葛原 茂樹 三重大学, 医学部, 教授 (70111383)
小久保 康昌 三重大学, 医学部, 助手 (60263000)
和田 泰三 京都大学, 医学部, 助手 (90378646)
SAZ Eva Garcia Del 高知大学, 医学部, 助手 (10294828)
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Keywords | 西ニューギニア / 神経難病 / パーキンソン病 / 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
今年度の目的は、西ニューギニアのカウンターパートのチェンデラワシ大学との研究組織作りと、地域住民の疫学的サーベイをおこない、神経難病の頻度を明らかにし、神経学的特徴を明らかにすることである。2005年7月にインドネシア、ジャカルタにて、チェンデラワシ大学と保健省と会談を持ち、調査の打ち合わせを行った。2006年1月には、ジャヤプラのチェンデラワシ大学を訪問し、関係者と会議を行い、研究組織作りを行った。さらに、神経難病多発地帯として知られるメラウケ県のバデ周辺地域に調査の予定であったが、悪天候による空港や道路の寸断と車のトラブルが重なり、目的とする多発地帯手前のメラウケ県のオカバ地域にて、神経疾患と生活習慣病の調査を行うこととなった。オカバ村(人口1042人)とアラク村(376人)における神経疾患の調査では、パーキンソン病が1例(50歳男性、アラク村、マリンド族、特発性と思われ家族歴は不明)、後ポリオ症候群1例、てんかん1例、多発神経炎(不明1例、糖尿病性1例)、顔面神経麻痺1例、Restless leg syndrome 1例を認めたが、この地域での神経難病の多発は特に認めなかった。特記すべきは、バージャー病が2例(27歳男性、44歳男性)認められたことであり、喫煙によるのみでなく、水やタバコからのヒ素中毒の可能性もあることより、水とタバコの重金属の解析を来年度に行う必要が生じた。また、20歳以上の57人の地域住民(平均45歳)の検診により、随時血糖200mg/dll以上が6人(糖尿病の頻度は、少なくとも11%)、140mg/dl以上が4人認められた。平均のBody mass indexが、24.9と高値であり、47.5%が、肥満(BMI>25)、過体重(BMI>22)であり、血圧の平均値も145/88と高値を示した。糖尿病、肥満、高血圧などの生活習慣病についても、今後の実態調査が必要であることが判明した。
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Research Products
(9 results)