2006 Fiscal Year Annual Research Report
日韓共同研究によるITを用いた痴呆性高齢者のケア質評価指標の開発
Project/Area Number |
17406032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧本 清子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80262559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 みずえ 三重県立大学, 看護学部, 教授 (40283361)
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
芦田 信之 甲子園大学, 現代経営学部, 教授 (50184164)
山川 みやえ 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80403012)
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 俳徊 / モニター / ICタグ / 安全 |
Research Abstract |
平成18年度は、新しいモニタリングシステムが開発されたため、日本で試験的にシステムを稼動し、問題点を検証した。大阪府内の認知症治療病棟で、3ヶ月間継続して家族から書面による同意が得られた患者をモニターした。アルツハイマー型の患者が多く、一日の移動距離の変化やNPI(Neuro Psychiatric Inventory)、MMSE(Mini Mehtal State Exam)の変化も追跡した。、前頭側頭型認知症(ピック病)の症例も3名モニターすることができた。設備の問題としては、天井の壁が厚いため、大きいICタグを用いる必要があったが、患者からの拒否反応はみられなかった。昨年度は、ICタグは衣類に縫い付けていたが、取り外しが煩雑なため、粘着テープで貼り付けた。テープがはがれる問題はなかったが、入浴日に衣類交換をするとき、取り外すのを忘れることが多く、タグの紛失が問題であった。 研究成果としては、3ヶ月にわたるモニターリングにより、認知症患者の行動パターンが従来、考えられていたよりもはるかに変動するものであることが判明した。また、夜間の俳徊や、失禁などの問題もモニターにより正確に把握でき、病棟でのカンファレンスで対処方法を検討し、改善の有無もモニターにより確認することができた。運動レベルが高く、栄養摂取が適切にとれていない患者には、体重もニターし介入の必要性をチェックしている。 認知症者の活動レベル・俳徊行動は、認知症の種類と進行度、従来のライフスタイルに大きく影響されるが、本システムで、客観的な評価指標を提示することができ、ケアや看護介入効果を測定できることが示唆された。本年度の成果は、2007年度国際老年精神学会で発表予定で、論文は専門誌に投稿準備中である。
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