2007 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ・ネットワークの連結特性の解析とアルゴリズム設計への応用
Project/Area Number |
17500008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永持 仁 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (70202231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮沼 徹 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (30313406)
上土井 陽子 広島市立大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (80264935)
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Keywords | アルゴリズム / 応用数学 / 数理工学 / 情報基礎 / グラフ理論 / ネットワーク / 近似アルゴリズム / 連結特性 |
Research Abstract |
インターネットに代表される情報ネットワークにおける諸問題は問題を記述する幾つかの要因を固定すればグラフ問題になることが多い。本研究では情報工学的諸問題の持つ複雑な要求条件の中から本質的な条件のみを抜き出してグラフ・ネットワーク問題として問題設定を行い、問題の構造に着目し連結特性の解析を行った。さらに、本研究では解明したグラフ・ネットワークの連結特性を特徴付ける数学的構造を利用して近似アルゴリズムを開発した。本研究を通じて、グラフ・ネットワークの連結特性に関する数々の成果を得ることができたが、以下ではマルチキャスト木問題、キューレイアウト問題、グラフ多分割問題に大別してその概要を述べる。1.マルチキャスト木問題:本研究ではマルチキャスト木問題に対する(3/2+(4/3)r)倍近似アルゴリズムを提案した。ここで、rは最小コストスタイナ木問題に対する適用可能な近似解法の近似値の最良値とする。従来までに知られていたなかで最良の近似比(2+r)に比べ、rが改良されるほど提案手法の近似比の改良度は上がる。2.キューレイアウト問題:本研究では従来個別に研究されていた複数のグラフのクラスを含む反復ラインダイグラフなるクラスのキューレイアウトについて研究し、反復ラインダイグラフのキュー数の上界と下界を提案した。3.グラフ多分割問題:本研究では新しい問題を定義し、その最適解法に基づいてグラフ多分割問題に対する2倍近似アルゴリズムを開発した。本研究の成果により2倍近似アルゴリズムの時間計算量を0(k(mn+n21ogn))から0(mn+n21ogn)に改良した。ここで、kは分割数を表す固定定数である。
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Research Products
(12 results)