2006 Fiscal Year Annual Research Report
超楕円曲線を用いる公開鍵暗号系の高速化と安全性に関する研究
Project/Area Number |
17500010
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
趙 晋輝 中央大学, 理工学部, 教授 (60227345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 重男 情報セキュリティ大学院大学, 情報セキュリティ研究科, 教授 (50020350)
百瀬 文之 中央大学, 理工学部, 教授 (80182187)
松尾 和人 情報セキュリティ大学院大学, 情報セキュリティ研究科, 教授
志村 真帆呂 東海大学, 理学部, 講師 (30308209)
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Keywords | 楕円暗号 / 超楕円暗号 / 高速演算 / 位数計算 / 安全性解析 / Weil descent攻撃 |
Research Abstract |
1.高速加算アルゴリズムの開発 代数曲線暗号の中では、Cab曲線やSuperelliptic曲線などの超楕円曲線以外の方式は安全でないと明らかになった今では、超楕円曲線の高速実装はますます重要な意義を持つようになった。中では、特に64ビットプロセッサー上単精度計算で暗・復号化が可能な種数3超楕円曲線の因子群の演算を高速化するために、chord-tangent法を拡張して、因子群演算の分類によって最適化したアルゴリズムを適用することによって、同程度の安全性を持つ楕円暗号に比べて、同様若しくは上回る暗号化と復号化の速度を実現した。具体的に、計算量が最少の高速算法を提案すると同時に、スカラ演算173マイクロセコンドの実装記録を実現した。 2.楕円・超楕円暗号系の安全性解析 数年前、Freyにより示唆されたWeil descentを用いるWeil descent攻撃が提案された。最近、C.Diemにより、従来超楕円曲線より安全であると考えられたNon-hyperellipticな曲線に対する有効な攻撃法が提案された。しかしながら、これらの攻撃法の適用範囲と被害を解析することは極めて困難とされている。また、仮にこれらの攻撃が有効な場合においても、極僅かな曲線しか攻撃されないと考えられている。本研究では、特にWeil descent攻撃に対して、適用条件と攻撃可能な曲線のクラスを完全な分類と密度解析を行い、楕円・超楕円暗号の安全性を明らかにしている。具体的に、拡大体上に定義されている楕円曲線と種数2、3の超楕円曲線が誘導する射影曲線P^1の(2,2,...,2)被覆の完全分類を行い、Weil descentとDiemの攻撃に弱い曲線のクラスの方程式を示し、その同型類の数を示した。それによって楕円・超楕円暗号系に対するWeil descent攻撃の安全性解析という大きな課題の完全な解決が得られた。特に、このような弱い曲線が大量に存在する衝撃的な事実をはじめて突き止め、そのような曲線の判定法も示した。
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Research Products
(6 results)