2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイナリレベル軽量データ統合方式による高精度なC言語用CASEツールの構築
Project/Area Number |
17500019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
権藤 克彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (50262283)
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Keywords | CASEツール / XML / ANSI C / バイナリレベル / データ統合 / 追跡性 / C前処理系 / データ競合 |
Research Abstract |
新しい方式であるバイナリレベルデータ統合と軽量データ統合を使って,高精度なCASEツール(ソフトウェア開発ツール)を実現する手法の確立を目指し、C言語用,ELF/DWARF2,理解ツールに対象を限定したツール構築実験を行ってきた。今年度は大きく次の2つの研究を行った。 1.C言語の前処理系解析器の研究: デバッグ情報であるDWARF2はマクロ情報の一部を提供するものの,高精度なCASEツール構築には十分ではない.この問題を解決するためC言語の前処理系解析器の研究を行った. 従来の方法では,既存の前処理系を修正する方法と,前処理系のエミュレータを用いる方法が知られていたが,どちらも移植性や精度に問題があった. 我々の研究では追跡子と呼ぶソースコード埋め込み(source code instrumentation)方式を新たに考案して実装・実験を行った.gcc-4.1.1(約63万行)などの実用規模のソースコードに適用して,よい結果を得た. 2.シグナルによるデータ競合の検出ツールの研究: 本プロジェクトがこれまで構築してきた高精度CASEツールは主に静的な解析器が中心であったが,動的な解析が必要となるケースも存在する.シグナルによるデータ競合の検出がこのケースに該当する.この研究では,ソースコードの解析や修正を必要とせず,バイナリレベルで高精度にデータ競合を検出する手法を新たに考案して実装・実験を行った.bash-3.0(約9万行)などの実用規模のプログラムに適用してよい結果を得た.
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Research Products
(6 results)