2006 Fiscal Year Annual Research Report
コモディティネットワークを用いた超並列クラスタ用ネットワークの研究
Project/Area Number |
17500031
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
朴 泰祐 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (90209346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三久 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60333481)
高橋 大介 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (00292714)
建部 修見 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (70357432)
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Keywords | コモディティネットワーク / PCクラスタ / Gigabit Ethernet / トランキング / tagged-VLAN / 大規模化 / 耐故障性 |
Research Abstract |
本研究において、最も標準的なコモディティネットワークであるイーサネット、特にGigabit Ethernetを複数本用いることにより、構成のPCクラスタに要求される高バンド幅機能、耐故障機能、大規模化(スケーラビリティ)の全ての要請に対応可能なソフトウェア制御技術が確立された。具体的には、(1)ノード間を複数リンクで結合し、それらのリンクをバンド幅増強及びリンク故障時の冗長化機能の両面で利用する機構、(2)イーサネットのtagged-VLAN機能を用い、多数の中継スイッチを持つマルチパス構成であっても的確なルーティングを行いバンド幅を従来の単純ツリー型に比べ大幅に増強させ、ノード数の拡大に対応する機構、の両者をソフトウェアのみで完全に実現し、実クラスタシステム上でこれを実装した。(1)の機構をRI2N/UDP、(2)の機構はVFREC-NETと名付けた。 本システムを用い、高性能PCサーバの各ノードに2本のGigabit Ethernetを接続し、これらを組み合わせたクラスタ上でRI2N/UDPを実装し、2リンク利用時には通信性能が単一リンクのほぼ2倍に増強され、さらにリンクまたは中継スイッチの故障発生時には残りリンクで通信を継続し、故障回復時には通信性能も復元されることを確認した。また、64ノードまでのPCクラスタを構成し、2段の中継スイッチを4重リンクで結合した場合、VFREC-NETを用いたトラフィック分散が設計通りに実現され、理論値通り4倍のバイセクションバンド幅を提供するfat-Tree網を構築することを実証した。 RI2N/UDPとVFREC-NETは直交する技術であり、これらを組み合わせたPCクラスタも試作した。この上で両者の技術が互いに反することなく、協調して動作することを確認した。これらにより、コモディティネットワークとソフトウェア制御の組み合わせのみで、高性能PCクラスタに求められる、高性能・耐故障・大規模インターコネクトが実現可能であることを実証した。
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